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リベリオンの誕生 ページ5
だけど……
一つ可笑しい
生まれた赤ん坊は声をあげて鳴いているのが普通だ
この赤ん坊である以心、後に幽玄は"声をあげて鳴いてはいない"
ただ、目で見て鳴いている表情になっているのは誰でも分かるし呼吸もちゃんとしているが"鳴き声"というものが全く聞こえないのだ
何人か看護師たち赤ん坊の様子が可笑しいのに疑問を感じただけど、疑問を考えるほどの余裕は無い
理由は……
「頭が見えて来ました！もう少しです」
「歩美、後少しだ！」
お腹の中にもう1人いる、双子の兄弟であり
先程の赤ん坊の弟、後にリベリオンがいるのだ
「奥様、もう少しです！」
「ゔゔぁぁぁぁ‼‼」
歩美は最後の気力を振り絞った
そして…
「おんぎゃあ おんぎゃあ」
「おめでとうございます！元気な男の子ですよ！」
「ありがとう……」
双子の弟、伝心が誕生した
兄の以心とは違い、こちらは鳴き声をあげていた
まるで兄の分まで鳴き声をあげているかのようだった
「頑張ったな、歩美」
読は優しく歩美の頭を撫でていた
「ええ……」
歩美も安心した表情で読を見つめる
とても良い環境だが、後に兄の以心の"残酷な秘密"を知ることになるなんて思ってもいなかっただろう
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