月が見えなくなりそうです

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授業が始まるといつも隣の渡辺から
" 教科書見せて 寝るから起こして ”
この言葉が飛んでくる でも今日は違う。

十分な睡眠をとってない上に
食欲が無く何も食べてない 気分が悪い









　









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「 ……わたな、 」









　









ああ、まただ
また渡辺に甘えようとしている自分が居る
結局渡辺が居なきゃダメなのは私









　









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翔『 …何 』


「 あ、っ …何でも無い、ごめ 」


翔『 嘘つけ 顔色悪いよお前 』


「 …保健室、行ってくる 」









　









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先生に 保健室行ってきます の一言を言い
椅子から立ったその瞬間
目の前が暗くなり その場で意識を失った









　

　



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「 ………ん、 」


？『 起きた？ 』


「 …なんで 渡辺が、 」


翔『 急に倒れたから俺が運んできた 』


「 ごめん… 」


翔『 体調悪いなら言えよばかなのお前 』


「 っ、ごめんなさ、い 」


翔『 …そうじゃなくてお願いだから心配させんな 』









　









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初めて聞く渡辺の震えてる声
私の左手には渡辺の手が重なっている
重なっている手は思いのほか強く握られていた









　









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「 渡辺に言いたい事たくさんあるの 聞いてくれる？ 」


翔『 うん、 』


「 昨日、来てくれたのに有難うも言えなくて、最低限関わるの辞めようなんて酷い言葉言っちゃって ごめんなさい、ずっと渡辺の事で頭いっぱいだった 何であんな事言ったんだろう、って 」


「 そしたら全然眠れなくて食欲も湧かなくて、全部自分がわるいのに渡辺に甘え過ぎてた 渡辺と関われないのやっぱり辛い それに美愛ちゃんに、嫉妬してた 」


「 ……ごめ、ん 渡辺の恋 応援、できない、っ 」









　





　




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翔『 …また泣くし情緒不安定過ぎ 解放してだとか甘え過ぎてただとか関われないの辛いだとかほんとワガママ 』


翔『 俺もAと関われないのキツいし朝目合った時すぐ逸らされて結構傷付いた だからもう仲直りしよう 』









　









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縦に頷くと昨日みたいに頬に流れる涙を
拭ってくれる渡辺の手は優しくて
どんなに苦しくても嫌いにはなれない





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