月が見えなくなりそうです

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足音が聞こえて頭に暖かい温もりを感じた
きっとこれは渡辺の手









　









翔『 A、』


「 …渡辺 、ごめん 」


翔『 気にすんな なんかあったんだろ 』


「 くるしい 」


翔『 ま、え 泣くなよ 』








　









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そうやって動揺しながらも
優しく抱き締めてくれる渡辺が好き
急いできてくれたのが分かるくらい
汗かいてる渡辺すら今は気にならなかった

ねえ苦しいのは 渡辺のせいなんだよ









　









翔『 ほんと良く泣くよねAって。俺ぐらいしか面倒見れないわ絶対 』


「 …ずっとくるし、い 」


翔『 ………目黒？ 』









　








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どうしてそうな悲しそうな目で聞いてくるの









　

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翔『 Aこっち向いて 』









　









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涙でグチャグチャになってる顔を上げると
悲しそうに微笑んで
涙を優しく指で拭ってくれる

頬に触れたままの手 渡辺と交わる視線









　









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理解するのに時間はかからなかった
唇にふわっとした感触
紛れもなく渡辺の唇だった
驚きで涙はいつの間にか引っ込んでた

このキスはどういう意味があるのだろう
分からないよ渡辺の気持ちが









　









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翔『 …………ごめん なんか、俺 そのごめん 』


「 …なん、で 」


翔『 …目黒の事で泣いてるって考えたらムカついた 』


「 蓮くんの事なんて、一言も、言ってない 」


翔『 うん、でもそうでしょ 分かってるから 』









　






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一人でそうやって解決しないでよ
勘違いしたまま解決しないで









　









「 渡辺の、せいだよ 」


翔『 俺なんかしたっけ 』


「 好きな人なんて作るから 」


翔『 Aもしかして美愛ちゃんの事で泣いてたの？ 』


「 …渡辺のせいじゃん だめなの？ 」


翔『 …………なんか調子狂う お前が可愛く見えるんだけど無理 』


「 その言葉失礼 」









　





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翔『 Aそんな、可愛かったっけ、』









　





　
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お願いあの子の元に行かないで



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