ねぇ、深田くん (ページ15)

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オリエンテーション合宿当日

“親睦を深める” をテーマに掲げて行われる合宿は

基本、例の他クラスの異性を含めた男女混合グループで行動するから

バスの座席もグループごとに振り分けられていて。

そのグループのメンバーは

2-Cの私、美琴、黒田くん

そしてにゃんにゃんこと、黒田くんと仲良しな2-Bの内村くん、

美「じゃあ翠(すい)は内村の幼馴染なんだ？」

翠「腐れ縁みたいな感じだけどね」

その内村くんの幼馴染、河野翠。

気さくな翠とは、私も美琴もすぐに打ち解けられた

あとは…

翠「てか私の話より、二人の関係を聞きたいんだけど！」

後ろとこちらを交互に見た後に

キラキラした目で見つめてくる翠。

『翠が想像してるような仲ではないよ…？』

なんて答えると、今度は食い気味に尋ねられる。

翠「でもAのこと、深田が誘ったんでしょ？」

そう。残るメンバーは2-Aの深田くんと、そのお友達の檜山くん

『まぁ…うん、』

数日前、深田くんが教室に来て私に言った我儘、それは…

「オリエンテーション合宿のグループ、一緒になって」だった。

予想外すぎて、嬉しくて…

思い出すだけで頬が緩むし、正直今も現実味がない。

美「“俺からの我儘ね”って深田に言われたんだよね〜？」

『もー言わないでよ！』

翠は｢尚更怪しい〜｣なんて疑ってくるし、

美琴は楽しそうに笑ってるし…絶対面白がってる

『二人とも…！深田くんに聞こえるかもだから…』

翠「後ろの4人も盛り上がってるから問題なし」

美「そうそう、仲良くなるスピード早すぎるから」

言われてみれば賑やかすぎるくらい盛り上がってる…！

興味本位で、少しだけ話の内容に耳を傾けると

「そう、グループ一緒になろって。

俺がAちゃん誘いたくてさ」

はっきりと深田くんの声だけ耳に入ってきた。

翠「なんか急に顔赤いけど」

美「たぶん翠の後ろの席の人のせい」

翠「やっぱりAって…」

嬉しい気持ちが大きすぎて

二人の声も、今は深田くんの声も耳に入らなくて。

合宿は始まったばかりだけど、既に私の胸はいっぱい

翠「片想い仲間、か。」

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