05.あの日私は恋に落ちた ページ5
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それは、突然の出来事−−−−−、だった。
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寒い日の駅のホームにいる人はみんな、背中を丸めて足元を見るか携帯の画面とにらめっこするか。私もその中のひとりで。
ブォーッと凍るような風が吹かなかったら、前を向くことなんてなかったのだと今思う。
｢……さむ、…………−−−−−ｯ、｣
ただ覚えているのは、赤と黒のチェックのマフラーを首元にぐるぐると巻いた彼だけで。
あの時、あの世界には、あなたしか映っていなかった。
｢……大丈夫ですか？手伝いましょうか？｣
｢悪いねぇ｣
｢いえいえ、大丈夫ですよ｣
その時のおばあちゃんに向けられた笑顔が眩し過ぎて、私はどうにかなりそうだった。
あぁ、これが心が奪われるということなのだと。身に染みてわかった。
人助けする人なんて見渡せば普通にいると思う。だけど、私は見逃さなかった。
おばあちゃんの荷物を運んであげたから、彼は自分の乗るべき時間の電車に乗れなかったということ。
それでも、彼は平然としていた。悔しがる素振りも見せず。
単純にカッコイイと思った。
…………そんな彼に影響を受けて、ホームに転がる空き缶をゴミ箱に捨てる私はどうなんだろうって思うけど、なんかスッキリした。
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そんなある冬の日を思い出して、電車から降りる。危ない危ない、完全にニヤケを表に出すところだった。
……マスクしてくるべきだな。
そんなくだらないことを考えているから、人にぶつかるのだ。
｢……すみませんｯ、あ、｣
｢あ、｣
あ、の声が重なった。
神様いきなりすぎだよ……。
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來幸(プロフ) - ユキムラ*さん» ユキムラ＊さんありがとうございます。あぁなんて嬉しいお言葉(泣)ただただイケめてる紫さんを書きたかった私なので、満足です(笑)本当にありがとうございました。 (2019年2月27日 8時) (
レス) id: e8a35d3d1e (このIDを非表示/違反報告)
ユキムラ*(プロフ) - コメント失礼します!! 素敵なお話どうもありがとうございました!! 紫くんメインってそもそもあんまりなくて中でもこんな青春ぽいの読んだことなかったのでとても面白かったです！ 大好きな作品になりました。 (2019年2月27日 1時) (レス) id: 45a97fb88e (このIDを非表示/違反報告)
來幸(プロフ) - ゆかりさん» コメントありがとうございます。少々お待ちくださいませ…。嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2019年2月26日 20時) (レス) id: e8a35d3d1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 続きをお願いします (2019年2月26日 0時) (レス) id: 971a33d799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：來幸 | 作成日時：2019年2月17日 23時
