ありるの短編集

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ある日急にしげは言った。





「お前、俺のこと好きじゃないやろ？」



「えっ？何で？」




「ずっと一緒にいたら分かるんだよっ！」



「……ごめん、」




「ごめんじゃないやろ！それで済むんやったら警察いらんねん！俺がお前のことどれだけ好きやったんかお前知ってるん！？」









怖かった。



しげがこんなに怒ってるのを見たのは初めてだったから








「ありがとう…でも、私ねこと仕事もほんとは好きじゃないんだ」

　


「は？じゃあ何でやってるん？」




「私にはね」








お母さんがいない、






お父さんは毎日ギャンブルで私はいつも邪魔扱いされてきた。





お母さんは私が小さいときに家を出ていった。





そして、お父さんはギャンブルばっかりでまともに働いていない




だから、私が働くしかなかった。




なんであのクソ親父私が養わなきゃいないの、？




私、だってあの人のご飯も食べたことも無いし、



ありがとうって言われたことも無いんだよ、？




どれだけ私が頑張ってもあの人が一日でギャンブルに全部使っちゃうの、！



だから一日にたくさん稼げるキャバ壌になるしかなかったの、！




毎日、作りたてのご飯を食べれて毎日人に愛されながら育ったあなたとは違うの、！





私は小さい頃からずっとコンビニ弁当でも我慢してたのに、！









「…お前、ずっとそれ一人で悩んでたの？」



　
「そうだよ、！
だって私洋服も買ってもらったことないから、小さいときずっと同じ服着てたら皆が汚いからって誰も友達になってくれなかった、！！
だから、言う人が居なかったの！！
それに、人を好きになる余裕なんて無かったから、好きって感情が分からないの、！」









こんなこと、言うつもりじゃなかった






ずっとこの先、この作った私で行くていくつもりだった。









「これからは俺がずっとお前の側に居てやるから、！だから、もう泣くな。話してくれてありがとう」

　



　

え、？


ほんとだ、私泣いてたんだ…





ありがとうなんて言われたの何年ぶりだろう…



もしかしたら初めてかもしれない。








「うん、しげありがとう。」



「俺からもう離れんなよ」



「うん、！しげ、」



「ん？」




「私、しげのこと大好きだよ！」


　
　




人を好きになるってやっぱりよくわかんないけど、



きっとずっと一緒にいたい



そう思ったひとを好きって言うんだよね？

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