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81_傘村折心【世界で救われたい】 ページ37

コンコンッという軽やかなノックの音が何度かした。

セツナちゃんかな…?朝食できたよって、いつもみたいに。

布団から這い出て、ドアまで近寄る。

その間にもノックの音は何度かしていた。

はいはい、そんなに叩かなくたって逃げませんよ。

「はーい、どしたの…って、監視員…?」

首を捻るオズを見下げて、名も知らない監視員は口を開く。

「【世界で救われたい】。正直に言え、リビングの備品を壊したのはお前か?」

…はっ?

あ、そっか。今日リビング来ちゃいけないよって、監視員が来るからだったのか。

ん…?いやでも、見回りまで来るとは聞いてないから、予定にはなかったのか。

「……いや、開口一番に何言ってるの?」

敢えて口に出して言うと、監視員に睨まれた。

「怒らないから正直に言え。備品を壊したのはお前か?」
「正直に…って言われてもねえ…」
「何だと?壊したのはお前か…!?」

途端、腕を掴まれそうになって一歩後退る。

「いや、待って。壊してないよ。そもそも壊れた事実さえたった今知ったんだから」
「……なら、どうしてそんなに慌ただしくする?壊していないならそれだけ言えばいいだろう」

そうかもしれないけどさ…

「一つ言っていい?」

人差し指をぴょこん、とたてて言うと、「何だ?言ってみろ」とお許しが降りた。

「怒らないから正直に〜って言ったって、壊した誰かさんは正直に言わないと思うよ」

当たり前の事だと思うけど。

監視員は目を閉じて「あー…その……なんだ」と口ごもっている。

「…【世界で救われたい】」
「何?」
「…ならどうしろと言う」
「何もキミ一人が監視してるわけじゃないんでしょ?他の監視員に聞けばいいんじゃないの」

正直、備品を壊した程の事で危害を加えられるとも思っていない。
だから言ったんだけど…というか、そもそも本当に此処の子供が壊したとも言い切れないし。

監視員は再び「あー…」と唸ってから、オズを見やった。

「それでは…失礼する」
「ん、お達者で〜」

ぱたん、と扉を閉める。

時間まで本読んだりしてくつろぐ事にした

……んだけど、監視員はあの後あっさり行ったみたいで、結構すぐにリビングに来ていいよって事になった。

折角だから朝食は向こうで誰かと話ながら食べようかな?

昨日持ってきていたパンの入った袋を片手に、リビングへ向かう事にした。

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ニャ助(プロフ) - 更新しました。こんなに短くてすみません(><) (2020年5月4日 11時) (レス) id: 636a33148d (このIDを非表示/違反報告)
ニャ助(プロフ) - お久しぶりです!最近更新出来ずすみません…!更新してきます! (2020年5月4日 10時) (レス) id: 636a33148d (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ - 更新しました。 (2020年3月23日 15時) (レス) id: 91777e8ddd (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ - 更新します。 (2020年3月23日 14時) (レス) id: 91777e8ddd (このIDを非表示/違反報告)
春雨(プロフ) - 更新しました!オズはまだ行く先決まってないので、使って話を進めてもらって構いません! (2020年3月21日 23時) (レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:製作者一同 x他6人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年2月11日 22時

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