第４６話「残念な紳士」 ページ46
魁side
何故、俺はこんな奴と会話をしているのか。
さっきから、泉の話を聴く一方で頭をグルグル
と別のことで回らせている。
さっきまで、俺は蓮とチェスをしていた。
今時の中学生がチェス出来るなんて珍しい？
蓮だから、当たり前。←
泉「周辺には誰も居ない状況にしてほしい。
勿論、ヤクザ共には気付かれずにな」
「出来るか」と尋ねてくる泉。
俺のことを舐めすぎもよくない。
このニュアンスは、「出来るか」というより
「やってくれるか」の方が近いが。
生憎、俺は泉が嫌いだ。
脳は理解しても、なんとなくに自分自身が
悪い方へと考える。
魁「舐めてるんですか、出来ます」
泉「…受けてくれるかって意味だったんだが…。
まぁ、頼む」
魁「人にモノを頼む時は？」
泉「…魁、蓮隠してるだろ」
ビクリ、と肩が大げさに揺れた気がする。
そして泉は、ここぞという時に自分の立場が弱く
なったら、今みたいな汚い手を使う。
正直、本当に嫌いだ。
魁「…泉さんには会わせると連れ去りそうなので」
泉「うん、連れ去るのお前な」←
そう言う泉。
どうだか…、嫌いな奴だから信用は勿論しない。
魁「で、報酬の方ですけど。前に蓮を助けて
貰ったのでチャラでいいですよ」
泉「！そういえば、それがあったな」
本当はいつもの値段の２倍は受け取りたい。
しかし、あの時は蓮に少しでも傷をつけさせたり
痛い思いをさせたくない気持ちが強かった。
その時に、偶然が必然か泉が後ろから男に麻酔
針を刺した。
下敷きにされそうになった時も、泉が助けた。
……仮は一応は、返す方。
泉「んで、蓮は？」←
魁「教えません」←
泉「いや教えろよ。居るなら会いたいだろ」
魁「…そろそろ黙った方がいいんじゃないですか？」
そろそろ、俺も蓮不足して死にそうだ。←
俺が片手で骨を鳴らし、泉に殺意のある笑顔を向ける。
そうすると、ようやく諦めたよう。
泉「…邪魔したな」
椅子から立ち上がり、家から出て行った。
ようやく帰った。
すぐに玄関扉の鍵を掛けて俺の部屋で待つ
蓮の元へと足を進めた。
ガチャリ･･
魁「ごめん、待った？」
返事が無かった。
魁「…寝てる」
待たせすぎたかな。
…泉の野郎。←
静かな寝息を立てて寝ている蓮。
魁「…せっかくだから俺のベットを使わせよう」←
その後、魁は凄く機嫌が良かったらしい。(山田悠談)←
(魁side end)
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作者名：あまぐり(天樂) | 作成日時：2015年1月29日 18時
