第２１話「フラグ回収業者」 ページ21
「次は全学年混合リレーです。
代表選手はグランドに集合してください」
放送が流れて、俺が立ち上がる。
栞「頑張ってね！」
A「ありがと」
田中が俺を見送ってくれて、グランドに集合する。
……ん？
山田「よっ、頑張ろうぜ！」
A「待て、お前は何故ここに居る」
こいつ、３日前は応援するとか言ってたよな。
…何故お前は、俺の前に座っているんだ。
山田「いや、やっぱ心配でさ！なんか責任もあるし…
…前の人に譲ってもらったんだ！」
A「…お前、本当空気読めないのな」
山田「えっ、なんで！？」
「俺はお前のためを思って…！」と山田は言うが、
ぶっちゃけ山田がいる時点でアウトだろ。
確実に山田をこかして、そして俺にバトンが回る頃には先輩がゴール。
A「お前…絶対にこけるなよ」
山田「大丈夫、大丈夫！」
…本当かよ。
喋っていたら、いつのまにか山田の前の奴がスタートラインに立っていた。
次の次、俺じゃねぇか。
山田とかは緊張しなさそうだ。(馬鹿だし)
次の奴にバトンが回ると、山田がスタートライン
に立った。
健二「よぉ、久しぶりだな？」
山田「うぃっす！じゃ、おさ」
ズシャッ
「おーっと、山田選手がスタートラインでこけたー！」
実況者がそう言う。
……あいつ、フラグ回収業者か？
思い切り先輩に足やられてんじゃねぇか。
「３年が１年を追い越した！」
…アホだ。
俺はそんなヘマはしない。
尚吾「じゃあな！ばーか！」
あぁん？お前より頭いいわ、ボケ。
先行く先輩を睨みつつ、山田のバトンが
俺の手に渡った。
「おぉっ！１年が追い上げてきた！
その次に２年が続く！やはりトップは３年でしょうか！？」
尚吾「っ」
前の先輩がチラと俺を確認している。
…前向いて走らねぇと。
黒崎「…怪我するぞ？」
ズシャッと先輩がこけた。
「３年がこけたー！！」
そのまま、先輩を追い越して、リレーは１年が１位になった。
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作者名：あまぐり(天樂) | 作成日時：2015年1月29日 18時
