この音響かせ!! 【なにわ男子】 (ページ49)

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#44 サプライズページ49

月海side

普通ならこのまま学校に帰るところだかバスは違う方へ向かった。

生徒「先生ー！今から何処に行っているんですか？」

来た道を戻ればいい話、逆方向に向かっている。
先生「まあ、楽しみに待ってて。」

私は今何処へ向かうにか勘が働いた。

それは－

先生「はい、今から『この音響かせ！！』の舞台、なにわ男子の舞台を見に行きます。」

バスの中は雄叫び声で溢れた。

勿論私も興奮が冷めなかった。

興奮と熱気に包まれた私たちは気づけば会場の前にいた。

ファンの人で溢れかえる会場。

どれだけ人気なのかが分かる。

私達は言われるまま、会場に入る。

しっかり私達の場所は特別席として区切られていた。

もらったパンフレットには垢川朝日役:藤原丈一郎
しっかりと名前が書かれていた。

やがて舞台は始まった。

大ちゃん演じる耳の聴こえない少年が、周りの仲間と打ち解け、全国大会を目指す物語。

いつものなにわ男子ではなく、それぞれが演技をし、役人なりきっている。丈も丈じゃない、今まで一緒にいたなにわ男子は舞台の上で輝いている。

舞台の中盤、私はちょうど通路側の席だったのだが、
スタッフ「ちょっとすみませんー」
そっと舞台の邪魔にならぬよう、私に耳打ちした。

丈一郎side
……
垢街を離れて何ヵ月か経った。俺の生まれ故郷、大阪。勿論新大阪駅についたときこその安心感は半端なかったがそれでもなお強く脳裏に浮かぶは月海の顔。
それと、３ヶ月間の走馬灯。
コロコロ表情を変える月海は見ていて愛おしかった。
今でも依存しとるんかってくらいの。
舞台の稽古中はどこかに月海がいた。
「きっと今頃合奏中やろうな」とか思いながら。
大好きや、月海。
もう会えない、会いたいという願いは叶えられない。
そんな出会いをしてしまった。

が

謙杜「丈くん、今日垢街中の吹部皆、来るらしいんですよ。」
謙杜の一言で淡い期待を抱く。

もしかしたら見えるかもしれない。

期待は現実となった。

３ヶ月一緒に暮らして、好きになって、
今もなお大好きな人。

俺は月海に言うように、このセリフを言う。

丈一郎「この音、この音達を、響かせるんや!」

すると舞台が暗転した。
シナリオや台本にはない、奇想天外の出来事。
偶然なのか、必然なのか。
舞台上は驚きに包まれる。

大吾「え、何……?」

それは会場も。

［最後まで声は出さずに見てください］

沈黙の空気の中出てきたのは

［なにわ男子CDデビュー決定!］

の文字だった。