この音響かせ!! 【なにわ男子】 (ページ46)

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#41 大好き、丈。ページ46

月海side

丈が「俺も。」と言った瞬間、嘘だと思った。

そして同時に涙が出てきた。

そしてもう少し早くこの気持ちを言っていれば良かったと同時に思う。

月海「ほ、んま……?」

自分の事を俺、とか言う女。

いじめられて右手に根性焼きの跡がある女。

しかもましてや私は中学生。

実は丈とは12歳も離れているのだ。

どうして、どうして

こんなに気づくのが遅かったのだろう。

もう残された時間は少ないのに。

空は星が、輝いている。

そしたら丈は何も言わなくなっちゃって、

もう寝たのかな？と思ったら顔、手で隠して耳まで真っ赤。

月海「……丈……？もっと早く言えば良かったよね。ごめん、」

丈一郎「っ！んなことあらへん。」

私は丈一郎の横顔を見つめることしか出来ない。

月海「、ついでに、聞いてくれる……？」

私は今までいじめられていたこと、何で“俺”という一人称を使っていたのか。

もともと私は声が高く、キモい声と言われていたこと。

それだけでも持ち物を隠されたり、叩かれたり。

根性焼きはその跡。

周りを威嚇するため。

丈一郎「……そんな、周りを威嚇せんとっても、……。俺、おるし。」

そんなことを言ってくれて嬉しかった。

何で、私達は、出会った？

本当にこんなに大切にしてくれる人がいるってことに早く気づかなかったの？

月海「あ、ありがと。」

丈一郎「ほら、はよ寝んと。」

照れ隠しなのか、そう言い放ち、そっぽを向いた丈。

明日には帰っちゃうから、

もう少しだけ側にいさせて。

そう思うや否や

私は丈に抱きついたまま寝落ちした。

2人で一緒に。

丈は私の手を優しく握って、

月光は私達を照らした。