この音響かせ!! 【なにわ男子】 (ページ40)

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#35 センパイからの夢わたしページ40

No side

丈一郎はふと思い出していた。
月海の先輩、村朝律太を。
元気で少しイキっているが、腕は確かだ。
指導は厳しく、何人もの後輩を泣かせてきたと後から聞いた。
月海も泣かされた経験ありの、でもそのお陰で今ちゃんとやっていけている。と。

丈一郎「あの先輩は月海の事好きなんか……？」

答えは見つからない。
分からない。
そんなはずはない、と思う。

律太「友利花と月海には、ううん。垢街中のtubaパートには俺の成せなかった夢を成してほしい。特に月海には。中学校から始めてよくここまで上手くなったと思う。だって丈一郎さんのも教えられる程の実力の持ち主だしね。前を向いて胸を張ってほしい。ね、tuba だって姿勢良くなきゃいい音出ないでしょ？俺の夢は……全国大会で“ゴールド金賞”を受賞すること。俺のせいで上の大会に行けなくなった。失敗したから。ミスがあったから。月海は俺が直々に教えた後輩だから。叶えてほしい。月海に夢を託すよ。渡すよ。これが、“夢わたし”なのかな？」

そう言って帰っていった先輩。
年齢的に丈一郎の方が年上だが言っていることは……。
全国大会の前に定期演奏会があるとかないとか言っていたが、全国大会が終われば月海はtuba パートリーダーだ。
そして並びに低音リーダーともなる。

丈一郎「なぁ、定期演奏会っていつやっけ？」
月海「んー、全国大会終わってからじゃなかったっけ？」
和也「えー！俺たち見れへんやん！月海〜。」
家の中で喋っていられるのももうすぐ終わり。

夢わたし。先輩からわたされた夢を月海は。

◎僕も今日定期演奏会でしたー
疲れたんで寝ますおやすみなさーい