番外編1-(2) ページ11
AAはそわそわしていた。
消灯時間はとうに過ぎている。
先生たちも寝ている時間だ。
それでもワンチャンバレるこの時間、私は剣持刀也を待っている。
少しくらいバレませんよ、なんてふざけたことを言うあの優等生を待っているのだ。
正直大人しく寝ていて欲しい。
だが、少し楽しみもあったりする。
少し憧れるよね、修学旅行で抜け出すの。
「A」
「剣持」
2人してものすごい小声で喋っている。
油断したら吹き出しそうだ。
「んふふ、行きましょうか。星が綺麗に見えますよ」
「どこ行くのよ」
「ほら、あそこ」
そう言って指さしたのは、誰でも入れる……ベランダのようなところ。
なんて言うんだろうな、これ。
「わぁ、……ほんとに綺麗だね」
「そうでしょう？」
「心臓バクバクだけどね」
「Aと見たかったんですもん」
「あーはいはい……そうですか……」
当たり前のようにこんなことを言うんだから怖いよねこの男。
付き合っているからと言われたらそうだけど、こんなセリフ簡単に吐けないよ。
「結構寒いですね、A大丈夫ですか？」
「うん、大丈夫」
「それにしてもよく見えるね」
「電気少ないですからね、良く見えます」
「一緒に見るのが剣持で良かったよ」
「んふふ、僕もです」
.
.
.
「そろそろ戻りましょうか」
「そうだね」
「見つからなくて良かったですね」
「見つかったら剣持を差し出して逃げるつもりでいたよ」
「酷すぎませんかそれ」
「えへ」
「……ほら、着きましたよ」
「いい夢見てくださいね」
「剣持もね」
「ふふ、おやすみなさい」
「おやすみ」
それだけ言って部屋に戻る。
と、そこには目をキラキラさせながらこちらを見ている同じ部屋のクラスメイトたち。
「……Aちゃん」
「花恋たち、……起きてたの？」
「もちろん、だって1人で出ていっちゃうんだもん。そりゃ気になるよね」
「剣持くんとお楽しみだったの？」
「なにしてきたの？」
「え、えーっと……そこに星を見に……？」
「きゃー……！！」
「それでそれで！？」
その後も怒涛の質問攻めが続いた。
……剣持も、そうだったとか。
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a(プロフ) - nonoさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとてもうれしいです…！ (2023年1月21日 13時) (
レス) id: 0169186134 (このIDを非表示/違反報告)
nono - 完結おめでとうございます！きゅんとするシーンや、コメディなシーンが交互にあって最後までずっとずっと楽しく読めました！ (2023年1月21日 0時) (レス) @page10 id: e1a1c2ea00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：a | 作成日時：2023年1月18日 18時
