もう一つの物語【終わりのセラフ】【一瀬グレン、16歳の破滅】 (ページ10)

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発覚ページ10

翌日。

「A様、速くして下さい。グレン様がお怒りですよ」

私は扉の向こうに居る和人に向かって焦りながら

「ちょ、グレンにあと靴下だけだからって伝えて！」

と言う。

私は着替え終わる。扉を開けてグレンに「おはよう」と挨拶をし、靴を履いてグレン達と登校する。

そして校門前

「今日来るの早いからほとんど歩いてる人居ないねー」

周りを見渡しても生徒は数えるほどしか居なかった。

「あ、そうだグレン」

「あ？」

「今日多分コーラじゃないくてサイダーだよ」

1年間も投げられてると暇で暇で本数とかパターンとか考えちゃうんだよねー

「なんで分かるんだよ」

「経験？ほら来た」

前方からサイダーが飛んでくる

それを横目で見ながらグレンの方向に体を向ける

そして数秒後、当たるはずのサイダーは当たらなかった

サイダーは私達のかわりに呪符が当たって粉々になっていた

「グレン様これは…」

時雨が言う

「……」

グレンは何も言わないまま呪符がきた方向を向く。

そこには柊暮人がいた

「柊暮人……？」

小百合が呟いた

すると柊暮人はこちらへ近づいてきた

周りの生徒も柊暮人の存在に気づき初め、ざわついてきた

そして柊暮人は私に話しかけてきた

「おいA」

全員目線は柊暮人にある

「私にお声がけでしょうか？」

「なんだその喋り方は。昨日の威勢はどこに行った。」

周りはなんの事だかわからない顔をしている

「私にはなんのことかさっぱり…」

「そうか、じゃあ俺の許嫁になった事も忘れたか？」

嫌な所で嫌な事を言うかなー。

「許嫁」という単語に周りは反応した

周りにいた生徒はいつの間にか居なくなっていて私達しか居なかった。

私は軽く舌打ちをし、

「お前本当面倒くせぇな。うざい。てか死.ね」

「はは、俺にそんな態度をとるのはお前しかいないよ。」

だろうな。

柊暮人はそれだけ言って校舎へ入っていった

それを確認したグレンは真っ先に

「姉さん。どういう事だ。」

「昨日、生徒会室に呼ばれたの。それ自体が私の実力はかる罠だったの。それで部下になれって言われたけど断った。それで、なら許嫁になれって…」

それでみんな納得したようだった

「それ親父に言ったのか？」

「まだ。愛知に戻った時に言おうと思って。」

「…そうか」

「まぁいい、今日は選抜術式試験だ。それに集中しよう。」

そのグレンの言葉に皆返事をし、校舎へ足を進めた