もう一つの物語【終わりのセラフ】【一瀬グレン、16歳の破滅】 (ページ5)

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柊深夜＿グレンside ページ5

「小百合、時雨」

「…はい」

小百合が返事をする。時雨は凄く悔しい顔をしている。

「俺たちはここで力を見せない。敵にわざわざ手の内を発表(ｻﾗ)してやる必要ないだろう？」

「嫌な思いをさせるが3年の辛抱だ。付き合ってくれるか？」

俺は従者たちの顔を確認する

「も、もちろんです！わたくしはグレン様にお仕えするために生まれてきたのですから！」

小百合が前のめりになり、胸に手を当て叫んだ。

だがグレンは

「そこまで想われるのは重い。」

と流した。小百合は「あうあうあ！？」と反応した。

すると今まで黙っていた時雨が口を開いた。

「…ですが悔しいです。グレン様は我らが一瀬家でも1000年に一度の実力だと言われていますのに。」

……へぇ

「そりゃ誰の言葉だ？」

時雨が答える

「うちの父や『帝ノ月』の幹部の方々が…」

グレンは呆れたように言う。

「じゃあその幹部もじじいどもに言っとけ」

「まだ500年しか歴史のねぇ一瀬家に1000年に一度の天才が現れるわけねぇだろ、馬鹿が。もうろくするのもたいがいにしろってな。」

すると時雨は

「え、あ…いや…はは、確かに」

と笑った。

小百合は

「あれ、雪ちゃんが笑うのめずらし。」

時雨はそれを無視した。

グレンが「じゃ、いくか」と言い、足を進めた。

時雨は駆け足でグレンに追いつき、

「…私どもが主を守るはずなのに逆に守っていただいて…」

少し下を向きながら言った。

「黙れ馬鹿、部下を守るのは主の務めだ。」

グレンがそんな事を言うと時雨は顔を赤らめた。

すると小百合が反応した

「ねねね、雪ちゃん、なんで赤い顔してるの？」

今度は違う意味で時雨の顔は赤くなった。

「こ、殺.すぞおまえ！」

時雨は小百合をポカッと叩いた。

「なんで！？なんで雪ちゃんたたくの！？」

やっぱりうるせぇ。

ふいに前を向くと珍しい白髪の青年が立っていた。

少し見ていると彼は右手を上げた。

手には柊の呪術符があった。

早い！

…柊の名を持つ者か？

俺は自然と口角があがった。

「…なぁお前ら」

と言い後ろを見た

すると青年が使ったであろう呪術符が俺に当たる。

俺は軽く吹っ飛ぶ。

「「グレン様！」」

従者2人が俺に駆け寄る。小百合は目に涙を溜めている。

うっかりよけたらこちらの実力をはかれるところだった＿

うまく反応できなかったように見せかけられたか？

「あ～、こりゃバレてっか？」

楽しい学校生活になりそうだな＿＿