薄れ行く記憶 ページ3
「おーい。お前ら仲良く昼寝か?ﾌﾀﾘﾄﾓ珍しいな。」
えっ?！昼寝?！ なんのこと?！
私、さっきまであの子と… なんだっけ…?
靄がかったように何か大切なことが思い出せない。
あの場所が、あの出来事が、さっきの記憶が、どんどんと遠のいて行く。
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ
ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ
「ちょっとぉ珍しいじゃーん」
「ほんとっ中学入ってから初めてじゃなーい」
「ねっ！」
「何怒られてんのよぉ」
ﾜｲﾜｲ ｶﾞﾔｶﾞﾔ
「あははっ ちょっと寝不足でね…」
授業が終わると直ぐに私の机の周りに、大勢の女子が集まってきた。
珍しく私が、先生に怒られたからだ。
いつもそう。
私の机の周りに人が集まるのは、何か面倒なことがあるときと、私がミスを犯したときだ。
心配そうに「大丈夫?」と私を気遣う素振りを見せる彼女達の目は、鬼の首を獲ったかのように嬉しそうで、爛々と輝いている。
『はたから見りゃあ、あたしは人気者ね… ﾊﾊｯ』
そんな風に、ひねくれた考えを浮かべつつ教室を見渡す。
何も私のミスを喜ぶのは、女子だけではない。
男子も幾つかのグループを作って笑っている。
考えすぎだと思うかもしれないが、小さい頃からそうだったのだから分かる。
それに、私は耳の良さだけは自慢できるのだ。
『ほんとっ最悪。人間共は私をなんだと思っているのか… 神、いや化物とでも思っているのか…多少のミスもしない人間が居るわけがなかろう…
『大丈夫。僕が居る。君を守るって言ったでしょ。』
うぅっ
頭の中に直接響く声。『何っこれっ』
私の心を見透かしたようで、こんなの初めての、はず、なのに…
なんだか、デジャブな気がする。
それにこの声『なんだか、安心する。』
教室の中にひとり、誰とも群れずに私を見ている者がいる。
そいつの、瞳は決して私を蔑んではいなかった。
『そうだよ。僕だよ。』
その声が聞こえると同時に彼は微笑んだ。
ｰｰｰうぅっつｰｰｰ
頭が痛い。
周りの声が遠のいて行く。
いろんな色が、光が、闇が、黒が、白が、渦巻いている。
あの声が、
あの時が、あの事が、
あの恐怖が、あの幸せが、
私の記憶が還ってきた。
「ジルドっ!!」
いつぶりだろう、喜びで、安心で、涙が出た。
「そうだよ。カーリー。」
私の手が、温かいものに包まれた。
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Ririra(プロフ) - アルストロメリアさん» ありがとうございます！とても嬉しいです。あと、Ririaという名前でログインしたので、これからはこの名前で投稿させて頂こうと思います。よろしくお願いいたします！ (2018年3月16日 18時) (
レス) id: 0070a3ee37 (このIDを非表示/違反報告)
Ririra(プロフ) - 菖蒲さん» ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！頑張って連載しようと思うのでよろしくお願いいたします。 (2018年3月16日 18時) (レス) id: 0070a3ee37 (このIDを非表示/違反報告)
アルストロメリア - 主人公がどうなるのか？展開が楽しみですね！！ (2018年3月11日 2時) (レス) id: 1b68416b78 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 更新頑張ってください！プロローグの時点で面白いので！ (2018年3月10日 1時) (レス) id: efadc85eb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Riria | 作成日時：2018年1月25日 23時
