第39話 ページ39
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杏寿郎が渋々といった感じで座り直したのを見てしのぶちゃんは手を離した。
「では質問を変えましょう。煉獄さんの好きな方はどんな人なんですか?」
「え、しのぶちゃん?」
「Aさんも気になりません?」
確かにどう思われてるかは気になるけど、自分の事を言われると思うとこそばゆい気持ちになる。
曖昧な返事を返しながら杏寿郎を見ると、先程までのソワソワした感じはなく、なんだか瞳が輝いている気がした。
「ああ、それなら答えれるな!」
「わあ、聞きたいです!煉獄さんの好きな方について!」
「彼女はいつも明るくて前向きで、とても可愛らしい!!それに真っ直ぐひたむきに頑張る人で努力を怠らない人だ!!」
「それでそれで!?」
ちょっと待って欲しい、やっぱりやめて欲しい。
ただただ滅茶苦茶に褒められているこの感じ、今度は私の方が居心地が悪くなってきた。
「同期として昔から常に共に歩んできた。力不足で悩んでいる時もあったが、自分を奮い立たせ、乗り越えてきたのを知っている。そのような姿を見る度に俺も頑張ろうと思える!素晴らしい人だ!」
もう同期っていってるじゃん。ほぼほぼ答えじゃん?
それに気づいていないのかまだ杏寿郎の口は止まらない。
「何より、彼女と居るととても落ち着く!……鬼殺隊の炎柱煉獄杏寿郎としてではなく、ただ一人の煉獄杏寿郎として居ることができる。俺が鬼殺隊だと忘れてしまいそうになるくらいにな!」
わはは!と笑う杏寿郎を見ると、目が合って微笑まれる。
そんな事思っていたなんて全く知らなかった。
「ああ〜!きゅんきゅんし過ぎて胸が破裂しそうだわっ!」
「それは大変だ!しかし甘露寺、まだまだあるぞ!」
「ああ、いや!もう大丈夫だよ杏寿郎!」
まだ言葉を続けようとする杏寿郎を慌てて止めると、もういいのかとでも言いたそうな目を向けられた。
これ以上聞くと私の胸も破裂しちゃいますって!
杏寿郎は自分の好きな人の事を話したって思ってる訳だけど、私達3人からしたら、私の事を話してるってわかるわけだから、恥ずかしすぎるから!
これでやっと私の話は終わるかな、なんて思ってたらそれまで静かに話を聞いていたしのぶちゃんが話し出す。
「その方に想いは告げないのですか?」
元気になっていた杏寿郎がまた固まった。
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青葉(プロフ) - 莉子さん» そんな風に言って頂けるなんてありがとうございます!とても励みになります´ω`* 頑張ります!! (2021年3月1日 23時) (レス) id: be645905ff (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 先程更新された分のお話読みました!凄く胸がキュンキュンしました^^やっぱりウブな煉獄さんが好きです!原作のイメージそのままです( ´ ▽ ` )更新頑張ってください! (2021年3月1日 21時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
青葉(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。そうなんです、常日頃は鋭敏でも恋愛事に関しては鈍感だといいよなぁなんて思いますね^^* (2021年3月1日 21時) (レス) id: be645905ff (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - もどかしいですねぇ^^でも煉獄さんぽくて、好きです。絶対鈍感ですもんね。 (2021年2月26日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
青葉(プロフ) - ひまわりさん» 思う存分妄想を吐き出しております!もっと勉強しながら頑張ります、ありがとうございます! (2021年1月27日 10時) (レス) id: be645905ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青葉 | 作成日時:2021年1月16日 23時