第28話 ページ28
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さて、取り敢えず寝るかと思い、寝室に布団を敷く。
杏寿郎の布団はどうしようかと悩んだけど、まあ大丈夫だろうと枕元に掛布団用に手拭いを用意した。
「さ、任務後で疲れてるでしょう?寝ようか」
布団に入り、枕元を軽く叩いて杏寿郎を誘う。
だけど、布団の横に立ったまま動こうとしない。
「どうしたの?寝ないの?」
「うむ……いや、でも」
言い淀む杏寿郎に首を傾げて顔を見ると、微かに頬が色付いているように見える。
指で頬をつつくとやっぱり、むぅと言う。
「もう私寝ちゃうよ?」
欠伸をして目を瞑ると、枕元で布擦れの音が聞こえてきたので、大人しく寝たのだと思ってそちらを見る。
灯りを消しているので辺りは薄暗いが、目を開けると杏寿郎の今では小さい目とばっちり合った。
お互い横になっている状況にふと気付いたけれど、よくよく考えると姿は小さいけれども杏寿郎と同衾している事になるのでは。
「よもやよもやだ…」
だから先程杏寿郎はここに寝る事を躊躇っていたのか。
「でもほら、これは仕方ない事だから、ね?杏寿郎も小さくなっちゃってるし」
「そうだが…」
冷静な声が出たけど静かな部屋に鼓動の音が響いてしまうのではないかというくらい緊張してくる。
気付かなければ良かった。そうしたら少なくとも私は平和に寝て朝を迎えることができたのに。
緊張を誤魔化すために寝返りを打ち、杏寿郎に背を向ける。
「も、もう!おやすみ!」
取り敢えず早く寝てしまおうと目を固く瞑り、必死に呼吸を整えて意識を沈めようとする。
「…おやすみ」
微かに聞こえた言葉を背に受け、私は驚くほど早く眠りについた。
次に目覚めた時、寝る前と変わらない目に見つめられていて、驚いて思わず掴み投げようとしてしまった事は反省しています……
「驚いたぞ!放り投げられるかと思った!」
「驚いたのはこっちだよ!!」
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青葉(プロフ) - 莉子さん» そんな風に言って頂けるなんてありがとうございます!とても励みになります´ω`* 頑張ります!! (2021年3月1日 23時) (レス) id: be645905ff (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 先程更新された分のお話読みました!凄く胸がキュンキュンしました^^やっぱりウブな煉獄さんが好きです!原作のイメージそのままです( ´ ▽ ` )更新頑張ってください! (2021年3月1日 21時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
青葉(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。そうなんです、常日頃は鋭敏でも恋愛事に関しては鈍感だといいよなぁなんて思いますね^^* (2021年3月1日 21時) (レス) id: be645905ff (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - もどかしいですねぇ^^でも煉獄さんぽくて、好きです。絶対鈍感ですもんね。 (2021年2月26日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
青葉(プロフ) - ひまわりさん» 思う存分妄想を吐き出しております!もっと勉強しながら頑張ります、ありがとうございます! (2021年1月27日 10時) (レス) id: be645905ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青葉 | 作成日時:2021年1月16日 23時