第20話 ページ20
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それからあっちに行こうこっちに行こうと杏寿郎を振り回すように町を周り、あっという間に日が落ちる頃になった。
「今日は楽しかったね、ありがとう杏寿郎」
「礼を言うのは俺の方だ!」
移動する時は常に手を繋いでいたので、もう暫くするとこの手の温もりも無くなるのかなんて少し寂しくなってしまった。
そういえば、町をぬけて手を引かれて歩いているけどどこに向かっているのか分からない。
「どこに行くの?」
「俺の屋敷だ!」
足が止まる。今なんて言った?
聞き間違い出なければ"俺の屋敷"と聞こえたような。
「今夜は折角二人とも非番なんだ。もう少し付き合ってくれてもいいだろう!酒でもどうだ?」
お酒!私はあんまり強い方ではないけど、飲む機会もそんなに無いので、折角だし一緒に頂こうと思って頷き、炎柱邸に向かう事にした。
そういえば先程杏寿郎がつまみを買っていたことを思い出す。
「そういえば杏寿郎はお酒強いの?」
「自分ではよく分からん!」
「そっかあ」
程なくして炎柱邸に到着して、私は緊張しながら扉をくぐる。
「入ってくれ!」
「お、お邪魔します!」
「そこに座るといい!」
「は、はい!」
そこ、と言われた縁側に腰掛けると杏寿郎は手早く晩酌用の盆を用意してくれた。
空を見上げると既に星が煌めいている。
「うむ!いい夜だ!」
「そうだね、すごく綺麗」
お互いに徳利を傾けてお酒を注ぎあい、軽く猪口を合わせる。
まるで恋仲のような会話ではなく、気付いたら稽古の話や仲間の話に花が咲いていた。
「そういえば私達が会ったのって最終選別の時だったね〜」
「そうだな!あの時からAは只者ではないと思っていた!」
「それはこっちの台詞だって」
私達はよく驚かれるが、同期だ。
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青葉(プロフ) - 莉子さん» そんな風に言って頂けるなんてありがとうございます!とても励みになります´ω`* 頑張ります!! (2021年3月1日 23時) (レス) id: be645905ff (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 先程更新された分のお話読みました!凄く胸がキュンキュンしました^^やっぱりウブな煉獄さんが好きです!原作のイメージそのままです( ´ ▽ ` )更新頑張ってください! (2021年3月1日 21時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
青葉(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。そうなんです、常日頃は鋭敏でも恋愛事に関しては鈍感だといいよなぁなんて思いますね^^* (2021年3月1日 21時) (レス) id: be645905ff (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - もどかしいですねぇ^^でも煉獄さんぽくて、好きです。絶対鈍感ですもんね。 (2021年2月26日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
青葉(プロフ) - ひまわりさん» 思う存分妄想を吐き出しております!もっと勉強しながら頑張ります、ありがとうございます! (2021年1月27日 10時) (レス) id: be645905ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青葉 | 作成日時:2021年1月16日 23時