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第12話 ページ12





「おー。煉獄じゃねぇか」

「む、宇髄か!」



たまたま同じ藤の家で休息を取っていた宇髄と出会う。
久しぶりだし少し話でも、と言われ頷く。



「なぁ、煉獄はよぉ、好きな奴とかいんの?」

「む…!」

「ははっ、そんな派手に難しい顔すんなって」



宇髄からこんな話をされるとは思ってもみなかった。
好いてる人か、と考えてみるがよく分からない。



「そんな難しく考えんなって。他の女とは違う女とかいんだろ」

「他とは違う? むぅ…」

「例えばそうだな…名前を呼んでくれるだけで嬉しいとか」



そう言われると、頭に浮かぶ人物がいる。
確かに彼女に杏寿郎と呼ばれると嬉しい。後輩と名前で呼びあっていることが羨ましいと思ってしまったくらいだ。


俺も彼女の事を名前で呼びたいと思ったし、実際口に出して呼んでみたら胸が暖かくなった気がしたのだ。



「なんか思い当たる事があったみてぇだな?他には自分だけを見てほしいとか。なんかねぇか?」



つい先日の事だ。彼女が貰い物と言って甘味を持っていた。男隊士から「お慕いしております」と言って貰ったという。


その物を彼女の口に入れたく無かったので、全て食べるという子供じみた真似をしてしまった。


もし彼女がその隊士と恋仲になったら、と考えると背筋がぞわりとした。



「触りたい、触って欲しいとか思わねぇ?」



宇髄のその言葉に腕を組む。そういえば彼女は少年の服を脱がせようとしていた。例え弟弟子だとしても、嫌な気持ちで一杯だった。


他の男に触って欲しくない、他の男に触られないでくれ。君に触れるのは俺だけでいい。


艶やかな髪も、細く引き締まった身体も、柔らかそうな唇も。



「宇髄、この感じはなんだ!俺は知らん!」

「ははは!お前にもちゃんと欲はあるんだな」



彼女の瞳に写して欲しい、笑いかけて欲しい、たくさん名前を呼んで欲しい、手を握りたい、抱き締めたい、紅く色付いた唇に、触れたい。



「煉獄、お前、そいつに恋してんだよ」

「彼女に恋を…」



恋というのはこんなにも勝手で欲に塗れたものなのか。
彼女といて幸福感に包まれていたのは彼女の事が好きだからか。



「俺は、彼女と居たい。だが、こんな自分勝手な気持ちを彼女に押し付ける訳にはいかない!」

「相手が嫌がらなきゃいいだけの話だろ」



そんなものだろうか。
その後直ぐ宇髄と別れ、宛てがわれた部屋へ戻る。


嗚呼、早くAに会いたい──。

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青葉(プロフ) - 莉子さん» そんな風に言って頂けるなんてありがとうございます!とても励みになります´ω`* 頑張ります!! (2021年3月1日 23時) (レス) id: be645905ff (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 先程更新された分のお話読みました!凄く胸がキュンキュンしました^^やっぱりウブな煉獄さんが好きです!原作のイメージそのままです( ´ ▽ ` )更新頑張ってください! (2021年3月1日 21時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
青葉(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。そうなんです、常日頃は鋭敏でも恋愛事に関しては鈍感だといいよなぁなんて思いますね^^* (2021年3月1日 21時) (レス) id: be645905ff (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - もどかしいですねぇ^^でも煉獄さんぽくて、好きです。絶対鈍感ですもんね。 (2021年2月26日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
青葉(プロフ) - ひまわりさん» 思う存分妄想を吐き出しております!もっと勉強しながら頑張ります、ありがとうございます! (2021年1月27日 10時) (レス) id: be645905ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青葉 | 作成日時:2021年1月16日 23時

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