一般人の子の家に生得領域あって笑えない【呪術廻戦】

家の子は辛くなんかない ページ33

貴方side


気まずい空気が流れる。
この空気を断ち切ったのは私自身だった。

「何かありましたか？」

にこっと笑う。
きっとうまく笑えてる、ほら見てよ、わたし辛くないよ。
悲しいことなんてひとつもないよ。

虎杖「頼れよ、会ってまだ少しのやつに信用なんてないかもしれないけど、俺達もう友達だろ？」

虎杖「辛いなら、辛いって言えば良いじゃんか」

悲しそうな顔からいっぺん、真剣な顔付きに変わる虎杖さん。

真っ直ぐとその瞳は私を捉えている。
めんどくさい、その言葉が私の頭の中をしめようとした時だった。

ぐらりと視界が揺れた。
ぽちゃんと私の中でナニかがおちる。

「っ、あっはははっ！！
なにそんな真剣ムードなんですか！」

なんだか、おかしく思えてきてしまった。
こんなに蔑んだ目を向けられて、頼れだなんて。
バカみたい。

それを真剣なムードで？
こんなのだれが笑わずに居られるんだ。

自分の口元を隠すように片手を添えて、私は言う。

「私は普通ですよ？」

虎杖「でもっ」

釘崎「虎杖！もういい…一気に踏み込みすぎなのよ」

伏黒「縛り付けて、貼り付けて、抱えてきたものを下ろせだなんて今は無理だ」

苦虫を噛み潰したような顔を浮かべる3人。
仲がほんっとにいいんだなぁ、羨ましい。

「ほんとに大丈夫ですから、逆になにかあったら言ってくださいね」

「お力になれるかは分かりませんが…｣

こんなに笑ってるのに、なんで…つまんないって思ってしまうんだろう。
そう少し不思議に思ってしまう。

こんなに笑えるのにね。

「釘崎さん、結局なにするんですか？」

釘崎「あー、ごめん。
とにかく、あのバカ目隠しから離れてからアンタに謝りたかったの」

「アレですか…全然気にしないでください」

首と手を横に振る。
大丈夫だよと身振り手振りでも表現をした。

このぐらいなんてことない。
確かに辛かったけど、このぐらいなら耐えれるし。

釘崎「あーそーね。
お詫びと言ったらなんだけど、せっかくだし映画見ましょ」

釘崎「虎杖、アンタなんか持ってるわよね」

虎杖「俺が持ってるのって言ったら、ホラーとか…アクションとか」

釘崎「あんたは」

伏黒「おれは本派だ」

少し溜息をつきながらこたえる伏黒さん。
それを見てつまらないという表現を浮かべる釘崎さん。

釘崎「ホラーはなにかあったら大変だから、虎杖何本かアクション系のやつ頼んだ」

釘崎「私はお菓子をもってくる。
伏黒はこの子といて」

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