あまいね 【原神】 【短編集】

続 ページ35

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彼女は深淵に落ちたことがあった


どこかの公子と同じような配偶だった


そこで彼女はある女と出会った


その人は喋ることが好きなようだった


いつもAは女の元へ行った


そして女はAの頬に唇を落とし、おとぎ話を話し始める


だが、おとぎ話にしてはリアルだった


ある日は、モンドの龍が悪い魔物に堕とされる話


ある日は、長い時を生きてきた岩神が子のような国を手放す話


ある日は、怒り狂った雷神が人々の願いを埋めていく話


そしてある日、草神と花神の話を聞いた


そして女は言った


「草の神ブエル、ナヒーダとも言うわ。彼女を助けるのがあなたの仕事。」


女は愉快な人だった、ある日、Aは女に聞いた


『ねえ、私の運命の人ってどんな人？』


「えぇ？うーん。一言で言えば...」


『一言で言えば？』


「性格が悪い」


『え、最悪じゃん何それ！』


「でも、あなただけに優しくて、賢くて、あなたを見捨てない人よ」


女は薄ら笑いを浮かべこう言った


「その人は出会ったらすぐにわかるわ。だって」


「あなたの好きな花をくれるから」


そこでAは暗転し、気づけば家の前にいた


この世界では２日しかたっていなかったらしい


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