私達の主役は〇〇だ

No.64 仲裁って仲を裁くって書くけれど ページ19

コネシマの空気が変わったことに気づいたのは何人いるだろうか。

少なくとも目の前のショッピくんと、大先生にエミさん。そして、私。

kn「はぁ〜〜。俺は悲しいわショッピ。お前そこまで落ちぶれたんか」
syo「落ちぶれてません、見抜いたんすよ」
kn「教育が必要やな」

『や、やばくないですか』
em「やばいなぁ」
ut「ちょっとアカンかも」

しかし二人は動かない。なんだこれ、止めないほうがいいのか？

em「止めたいんやけど、生憎俺ら喧嘩は止めちゃいけないって暗黙のルールがあるんよ」
ut「両者に怒られるし、俺達自身も邪魔されたくないかんな」

だから誰も動かないのか。

いや

いやいやいやいやいや！！

何か流石によくわからんけどやばいだろ！動きたい、が、私闘に首突っ込むのは空気の読めないバカか空気の読めないヒロインと相場が決まってる。

無闇に手が出せない。

自分の状況が悔しく歯を食いしばってると

「当の本人が出るべきではなくて？」

甘ったるい声と、私の手が誰かに引っ張られ真ん中に連れてかれる。唐突のことで反応できず、目の前の人物が誰かを認識したときには、もう彼らの目の前まで来てた。

『はなみ、様』
「コネシマにショッピくん、何喧嘩してるの？」

はい皆様わかりますねこれが空気の読めないヒロイン気取りの悪女ですよ。悪い例ねこれ。

kn「はなみ」
syo「キョウカさん！」

手を離してもらいたいんだが、こいつ握力ゴリラか？ビクリともしないし普通に痛い。

『離して下さいませんか。私がここにいる意味はありません』
「随分冷たいことを言うのね、ショッピくんはあなたの為に戦っているのに」
『はっ、随分過保護なんですね。わざわざ人の喧嘩に首突っ込むほど女幹部はお暇なようで』

私に口で勝てると思ったら大間違いだぞ。こちとら煽りスキルは所持してるんだからな。

『ショッピ様、お怪我はございませんか』
syo「え、あ、うん」
『・・今後、私が何を言われようと、無視してもらって構いませんよ？』

どっちかというとコネシマの言い分がわからないわけでもない。異端なのはむしろこっち側だろう。

『私は気にしていませんし、ショッピ様が怒るほどのものでも』
kn「ちょお、勝手に話すすめんな」

コネシマの剣先が私を指す。それ以上に鋭い視線。もうすでにハートが刺されてるんですがそれは。

あまりに強烈な水色の瞳に、思わず釘付けになってると

kn「ガン飛ばしてるんとちゃうぞゴラァ！」
『ﾋｪｯごめんなさい』

陰キャだから陽キャの恫喝に弱いのやめてクレメンス

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