*《4》 ページ37
「そんじゃ、まずはどこ行く?」
西の方へ進んだ女子チームは、歩きながら作戦会議。
先頭には私が、その後ろにリリカと乃保とコクリコット、更に後ろにはジャンヌとまといが順に並んで、その上をVoidollが飛んでいる。
……まるで故郷の遠足みたいだ。
「はい!リリカ、Aさんのとこ行ってみたい!」
「……えっ?」
「えっ……って、うわっ」
魔法少女からの提案に、私は思わず足を止めた。
すると背後で提案者のリリカが私の背中に頭をぶつけ、その後に乃保、コクリコット、ジャンヌ、まとい……と並んでいる順に連鎖が起こった。
飛行していてぶつからなかったVoidollだけが、何かと振り返って首を傾げている。
「あいたた……何だいこれは」
「あっ、ごめん……」
「Aさんの所、と言いますと……魔界でしょうか?」
私がこの世界に来た時、何故か魔界ごとこっちに来たらしい、というのはVoidollから聞いていた。
いやその理由というのもVoidollや創造主とやらが知っているのだろうが、つまりはそういう事だ。
魔法繋がりという事で、魔法少女も私の世界に興味を持っている、らしい。
「そうなの!リリカ行ってみたーい!」
「コクリコも、気になる……」
「良いじゃん!あたいも行ってみたいよ!」
皆がそう言うのなら行っても構わないのだが……ああそういえば、今の彼女らにとってきっと有力であるだろう攻略情報を、私は思い付いた。
「ハロウィンはうちでは伝統行事だから……行けば確実にお菓子が貰えるんじゃないかな」
「……ってことは、魔界に行けば!」
私以外の全員が声を揃えて言った。
そう、つまりそれは我々の勝利を意味する。
*
「せーのっ」
「「お菓子くれなきゃイタズラするぞー!」」
「……よく出来ました」
*
「Trick or Treat!」
「えっ、鶏肉が何て?」
「トリック・オア・トリートですよ、まといさん。
ハロウィンでお菓子を貰う時の、合言葉みたいなものです」
「へー……」
*
「えっと、とり……とり……焼き鳥ッ!」
「Trick or Treatですってば……」
*
「Trick or Treat、お菓子くれなきゃ……い、悪戯……私には出来ません……!」
「そんなとこで聖女発揮されてもね……」
*
「お菓子くれなきゃkill」
「はいそこ脅すの禁止」
*
「オ菓子クレナキャ逮捕シマスヨ」
「懲役二千年で」
「脅すの禁止なんじゃ……?」
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レウィシア(プロフ) - マルリリさん» わぁ……!ありがとうございます。そう言ってくれる人が一人でもいらっしゃるだけで、私の心はとても救われます。これからも書いていきますので、どうか末永くよろしくお願いします……!(最敬礼) (2017年10月23日 20時) (レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
マルリリ - ハロウィンの話メチャクチャ面白いというか、全部の話が面白いです!更新頑張ってください!! (2017年10月23日 1時) (レス) id: 5ef7ab9b35 (このIDを非表示/違反報告)
レウィシア(プロフ) - トーク機能を使うことで会話がかわいらしくなるあら不思議。 (2017年10月20日 0時) (レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
レウィシア(プロフ) - まだお話も書いていないのに評価とお気に入り登録が来ていて驚いています……。ありがとうございます。(最敬礼) (2017年10月14日 11時) (レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
レウィシア(プロフ) - 雪兎(うさぎ)さん» わぁひ。そう言ってもらえると私もとっても安心出来ます。ありがとうございます……!ちなみに私は全天もディーバもノーガードも持っておりません。← コメントありがとうございました。(最敬礼) (2017年10月14日 11時) (レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レウィシア | 作成日時:2017年10月13日 19時