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18時に駅前の居酒屋
連絡の後海人からきたメッセージ
一緒に居酒屋の位置情報も送ってくる
こういうちょっと気が使えるとこ昔から変わらないなあ
ちょっとね、ちょっと
お店に入ると
「こっちこっち!」
少し賑わってるお店の奥から私を呼ぶ海人の声が聞こえた
海人がいたところは座敷で両脇のテーブルとはすだれで区切られており半個室になっていた
「久しぶり」
「久しぶりだね、元気してた?」
なんて他愛もない話をする
海人は高校卒業後、就職した
私も就職だった為、卒業後はお互い忙しくて連絡を取っていなかった
「仕事、どんな感じ?」
ビールジョッキを片手にそう聞かれる
「大変だけどやりがい感じるし結構気に入ってるよ」
私もビールを少し飲む
「なーんかA、変わったね」
ジョッキを置きながら「そう?」と返す
「よくわかんないけど変わった気がする」
「なにそれ〜、まあ一応私も社会人だから大人になってないと困るよ」
なんて言うと、そっかあなんて気の抜けた返事が返ってくる
「でも、海人は変わんないね」
「え?」
思わず出てしまった言葉
高校の頃から自然体で何にでも余裕そう
普段は自由なのに肝心な時はいつもそばに居てくれる
なんでも見透かされてる気分になってその真っ直ぐな目が怖いと思ったこともあったなあ
「んーん、なんでもない」
誤魔化すようにそう言った
それから私たちは今までの他愛もない話を交わした
「はー、結構飲んだー!」
お会計が終わり、外に出ると伸びをしながらそういう海人
「海人ってお酒強いんだね」
たくさん飲んでたのに全くふらふらしてない
「Aが弱いんだよ」
海人の言う通り、私は少しふらついているかもしれない
家を出る時に昨日の今日だから飲みすぎは気をつけようって思ったばっかりだったのに
私は一向に学ばない女だ
「家まで送って行くよ」
私の方へ振り返り、いえどこ?と言う
「いいよ、ここから遠くないしひとりで帰れる!」
「ばか、何言ってんの。こんな遅い時間にひとりで帰らせるわけなくね?」
それに、と続ける
「今日は俺が誘ってついてきてもらってんだから当然だろ」
「、、ありがとう」
今顔が火照ってるのはお酒のせいということにしておこう。
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作者名:ゆい | 作成日時:2021年8月10日 16時