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*元太side




先程から悶々とした脳内




ケイと重なったAさん




それはつまり友達…?




自分で考えておきながら少しもやもやする




するとそんな俺を見かねたのか声をかける




「なに、どーしたの?」




最近オープンしたばかりで話題のドーナツ屋さんのオールドファッションを片手にケイは言う




「んー、あ、いや」




正直に相談するべきか悩み、吃る俺を見透かしたのかケイは




「またAさんのことでしょ。次は何で悩んでんの?」




何も気にしない、と言わんばかりに手元のドーナツをぱくりと食べるケイ




「実は」




と先程言われた脳内を占める店員さんの言葉を伝える




「んーー、まあ気の許せる友達、的な?」




開口一番、少し悩んで言う




タダの友達とは違う




ケイの言う' 気の許せる友達 'は何故だかスっと受け入れられた




「仲のいい、友達…ねえ」




ケイの言葉を反復する




「でも、関係とかそんな深く考えるもんじゃなくね?」




呆気らかんと言うケイに思わずえ?と声が漏れる




「そんなん無理に考えても出てこないよ。時間が自ずと教えてくれるよ。」




そう言うとケイは残り1口のドーナツを口に入れて頬張った




しばらく咀嚼してそのドーナツを飲み込んだ




「だから、な、」




俺の肩に手を置き




「あんま悩むな。お前らしくないよ」




フハッと笑うケイを見たら強ばっていた全身の力が抜けた




それに、と続けるケイ




「あんま悩んで険しい顔してっと、お前イケメンなんだから勿体ねーよ!」




クシャッと眩しい笑顔




俺より年上だけど気兼ねなく話せる親友




こういう時頼りになるんだよなあ




そう心の中で思うと




「そうだよな、ありがとう!」




よし、




今日Aさんに会いに行こう。




手に持った紙袋を見てそう心に決めた

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作者名:ゆい | 作成日時:2021年8月10日 16時

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