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「そんなことないよ」
元太の言葉にびっくりしたけど驚きすぎて逆に冷静になった
じゃあさ、と続ける元太
「もし俺が好きって言ったら付き合える可能性は0じゃない?」
真ん中で分けられた長い前髪がかかる目元
その目は私を捉えて離してくれなかった
「0ではないかな」
私は彼の瞳を見つめてそう答えた
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その後ぶらぶらと買い物をしてそのまま送ってもらった
お酒は飲まなかった
家に1人。ぼーっとスマホをいじっていてもお風呂に入っても脳裏に残って消えない言葉
「Aさん年下じゃ恋愛相手にしてくれなさそうだもん」
大きなため息を着く
時計を見ると時刻は1時
いつの間にか日付を回っていた
なんとなくもやもやしたまま寝るのが嫌で、明日も休みだし、と気分転換にゲームの電源を入れた
フレンドのところを見るとN.kaitoと書かれた名前の横に緑のランプが付いている
緑のランプはオンラインだと言うことを意味するらしい
「海人、こんな遅くまでゲームしてるんだ」
誰に言うでもなく呟いた直後、電話がかかってきた
「もしもし」
「もしもし?まだ起きてたんだね、ちょっと付き合ってよ」
電話の相手は海人
気分転換に始めたゲームだ
海人ならきっとこのもやもやを思い出させないでくれるだろう
そんなことを思いながら私はいいよ、と答えていた
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作者名:ゆい | 作成日時:2021年8月10日 16時