揺れる気持ち〈うみげん〉 (ページ17)

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「お済みのお皿お下げ致します」

松倉さんが食後の食器を下げてくれた

するとまた松倉さんがテーブルに来た

次はトレイに何かを載せてきた

「これ良かったら食べて、俺からのサービス！」

そう言って私たちの前に出してくれたのはプリン

しかも焼き目がついている。焼きプリンだ。

「え！？ケイ神〜！」

「本当にいいんですか…？」

「もちろんです！お口に合うかわかんないですけど」

そう言うと松倉さんは少しはにかむような笑顔を見せてカウンターの方へ戻って行った

「私、プリン大好き、ここのプリン美味しいね！」

「Aさんプリン好きなの？へえなんかAさんのこと知れてラッキー」

スプーンでプリンを掬いながら彼は言う

そこで私は先日の海人との会話を思い出した

そうだ、私元太のこと知らなきゃだった！！

いつの間にかプリンも食べ終わってコーヒーのカップに口をつけている元太

「どした？？」

私の様子を不自然に思ったようで声をかけてくれる彼

「あのさ変なこと聞いてもいい？？」

「なに？そんな改まっちゃって」

彼はカップをソーサーに置いて膝に手をのせ私を見やる

「元太っていくつ…？」

そう言うと、へ？？と気の抜けた返事が返ってきた

「なーんか深刻そうな顔するから何事かと思ったらそんなこと？？俺きんちょーしちゃったんだけど！」

俺のドキドキ返してー！と言ってくる彼はなんとも無邪気だった

「ごめんね、急に。よく考えたら私全然元太のこと知らないって」

「全然いーよ、Aさんにならなんでも俺の事教えてあげるよ」

なんちゃって〜とちょけてくる

「俺今22、大学生ね」

「え、22！？年下だとは思ってたけどいざ年齢聞くとびっくりする、、」

「んで、ついでに言うとアイツは今年24。」

そう言ってカウンターに立つ派手髪の店員さんを指さす

「松倉さん私と同い年！？」

驚いた。というかなによりそれが1番びっくりしたかも。

ベビーフェイスというか童顔というか。

本人には言えないけど少し幼い顔立ちだったのと少し小柄な身長の為か元太と同い年かと思っていた

「いいなあ、俺もAさんと同い年が良かった」

テーブルに頬杖ついて私を見る彼

「なんで？」

「Aさん年下じゃ恋愛相手にしてくれなさそうだもん」