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「返事はすぐじゃなくていいから」




そう言うとリビングへ向かう元太




まだ上手くまわっていない頭で必死に考える




付き合うってそういうことだよね




この日、元太は私のことが心配だと言って終電までうちに居てくれた




それから3日後の水曜日




海人の家で飲んでいた




「はあ!?告られた!?」




ついにやったか、、なんて呟いてる声は私には届かない




「で、返事は?」




「まだ、すぐじゃなくていいって言ってくれた」




はあ、とため息をつく海人




「元太は真剣に向き合ったんだからAも逃げちゃだめだろ」




「そうだよね………」




「まあそれは俺にも言えることだよな」




ふはっと笑う海人




お酒のせいなのかいつも雰囲気が違う




「逃げてんのはどっちだよ…」




ぼそっとと呟く海人はなんだが苛立っているように見えた




「海人…?どうしたの?」




なんて心配になり顔を覗き込む




すると視界が海人でいっぱいになった




「……っ!」




口を塞がれた




とろんとした目で私を見つめてくる




私、海人と、キス…した……?




「俺もAが好きだよ、高校のときからずっと」




1文字1文字大事に彼の口から紡がれる言葉に私は驚きを隠せない




高校のとき何よりも1番求めていた言葉を海人に言って貰えた




気付いたら私の頬に涙が伝っていた




海人はその涙を親指で優しく拭う




「俺、高校の時から逃げてた。すぐ言えばよかったのにあの時の関係を捨てたくなくて」




切なそうな目




「あの時からずーっと、俺が好きなのはA」




「…ばか海人、なんで今言うの」




「逃げててごめん、タイミング悪くてごめん、ずるい男でごめん」




私を優しく抱き締める




「俺、Aに彼氏できるのやだよ」




「俺を1番にしてよ」




抱き締める力が強くなる




私は海人がとても愛おしく感じ、抱き締め返した

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作者名:ゆい | 作成日時:2021年8月10日 16時

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