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「そう…なんですか」
『良かったじゃん、諦めなくて』
「中村さん…」
不安と胸騒ぎと届かない想いが、だんだん怒りになってふつふつと沸き上がる。
『飯行くんでしょ？上手くいけば付き合えるかもね？』
彼女は何も悪くないのに、きつい言い方をしてしまう。
「中村さん、私…」
『海斗に好きだって言えばいいじゃん、好きなんだろ？』
彼女の顔が悲しそうに歪んだ。
『好きって言えなくてずっと苦しかったんだろ？好きならちゃんと言えよ』
彼女が俺をジッと見てる。
『俺はずっと…好きって言えなかったから』
そう言って、控室を出た。
彼女が俺を呼ぶ声が聞こえた気がしたけど、振り向かなかった。
その日は海斗とも彼女とも、目を合わすことができなかった。
海斗はあんな自然に飯に誘ったりできるのに。
俺は何一つできなくて。
そう思ったらどうしようもなく情けなく感じて。
深い溜息が何度も漏れた。
ー
しばらく彼女とは現場が違ったから、会うことはなかった。
会ったら何か気まずいし、今の俺にはちょうどいいかもしれない。
でもあの二人、飯いつ行くのかな…。
そんなことぼんやり考えてたら、隣に如恵留くんが座った。
如「ちゃか今日ご機嫌じゃない？」
『そう？』
如「今夜あのスタッフの子とご飯行くんだってさ」
『…え』
固まる俺をチラ見して、如恵留くんがニヤつく。
如「海人諦めたの？」
『…何を？』
如「あのね、俺を誰だと思ってるの？川島如恵留さんだよ？」
『…悪いけど言ってる意味が全然わかんない』
首を振ったら盛大に溜息をつかれた。
如「海人があの子のこと好きだってことぐらい、俺にはお見通しだからね」
『え？…え、え、マジで？』
如「海人わかりやすいからね」
まさか如恵留くんにバレてたなんて…超恥ずかしいんですけど。
如「このまま諦めるの？」
『そんなの…如恵留くんに関係ないじゃん』
如「まぁ、海人がいいんなら俺はもう何も言わないけどね」
如恵留くんの手前強がりを言ったけど、本当は気が気じゃなくて。
仕事が終わって家に帰っても、今頃二人で会ってるんだ…って思ったら一睡もできなかった。
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TUGUMI(プロフ) - ちんたんさん» お返事ありがとうございます！いえいえ。とっても楽しい作品に出会えて良かったです (2020年8月28日 21時) (
レス) id: b6b6b260bf (このIDを非表示/違反報告)
ちんたん(プロフ) - TUGUMIさん» コメントして頂きありがとうございます。初心者ながらの作品読んでいただき、さらにコメントまでとても嬉しいです！これからも不慣れではございますが更新していきますのでよろしくお願い致します♪ (2020年8月28日 16時) (レス) id: 481cab572a (このIDを非表示/違反報告)
TUGUMI(プロフ) - 凄いキュンキュンしました！とっても楽しかったです!!更新頑張って下さい!! (2020年8月28日 15時) (レス) id: b6b6b260bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちんたん | 作成日時：2020年8月23日 1時
