ある日、異世界に居た件について（男主） (ページ9)

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夢じゃないページ9

ｰｰｰ熱い、暑い、痛い、苦しい

ハッと目が覚めると立派な天蓋が見えたあと、すぐに肩の痛みを感じ、冷や汗をかいているのに気づいた。

『…っ、う…』

起き上がる事もままならず、あたりを見渡すしか出来ない。

ただ分かることは夢から覚めず、殺されずに居るということ。

肩は包帯がされて治療してくれている。

傷が治ったら殺されてしまうのだろうか。

それに、ここは何処だろうか。

ぐるぐると思考を回している内に扉が開いて、誰かが入って来た。

「…目が覚めたのか」

『お兄さん…？、』

「つらそうだな、まだ寝ていろ」

夢の中で会っていた綺麗なお兄さんが僕の顔を見下ろしている。

僕の顔色が良くなかったのだろう、お兄さんは思案した後に僕の額に指先を当てた。

すると痛みは引いていき、瞼が重くなったと感じた時には眠ってしまいそうになる。

あぁ、まだお兄さんに聞きたいことがあったのにーーー

どうして、冷たい目をしてーー

思い詰めた顔をしているのーーー？