No.6 ページ6
いつになったら同じ夢が終わるんだろう。
夜にお兄さんの目の前に座って、たまに話をするだけ。
だけど、今日は違った。
いつもならロイヤルファミリーが住んでそうな部屋から始まるのに庭園に居る。
『ここは…庭…？』
しかも昼なのか太陽が綺麗な花を照らしている。
「誰だッ！ここは皇帝の庭であるぞ！」
『ぇ、あ、あの…っ⁉︎』
誰かが大声をあげて近寄って来て、皇帝と言う言葉を聞いた瞬間、目の前がチカチカして、肩が焼けるように痛くなった。
『あ゛ぁ゛っ‼︎‼︎』
床に倒れてこんで頬に痛みを感じたと肩が何かで貫かれた。
ｰｰｰ痛いっ、痛いっ！
「皇帝陛下に報告するまでもないだろう。処分しておけ、どうせ殺されるだろうからな」
『っ、…』
皇帝が誰だか知らない。
だけど殺されると分かって逃げなければ死ぬと言う事は瞬時に理解した。
「あ！おい！逃すな！」
『はぁ、はぁ、』
闇雲に逃げ回っても捕まるだけなのは分かっている。
逃げないと死んでしまう。
けど、逃げたところで助かるだろうか。
こんな、知らない場所で。
『だ、れか…っ、たす、けて…』
だんだんと目が霞み貧血なのが分かる。
「姫様っ！危ないです！」
『ぇ、』
「きゃっ！」
角から出て来た可愛い女の子にぶつかりそうになり、咄嗟に避けると足がもつれて倒れ込んでしまった。
あ、空間が揺らめいている。
この夢が終わるんだろう。
可愛らしい声が何か言っているが、僕の視界はブラックアウトした。
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作者名：chamu. | 作成日時：2023年4月22日 13時
