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No.5 ページ5

こいつはたまに俺の目の前に現れる。


興味本位でソファーに座らせ、観察をしていたが特に邪悪な気配はない。


ただ、そこに居るだけ。


今日も向かいあって座るだけ。


「どうかしたのか…?」


今まで他人に興味がなかったが、数回会う内にこいつは無害と分かった。


最初は誰かの差金かと思ったが、そんな気配を感じれば排除されるだろう。


警戒するのがバカらしくなった。


フィリックスにも伝えていない。


夜に会うだけの関係。


『ぁ…寝れてないのかなって思っちゃって』


「なぜそう思う?」


『目の下のクマが酷いんで』


「お前には関係ない」


『…そうですよね。すいません…』


それからは俺の顔を伺いながらも言葉を発することはなく、時間が来て消えていった。


「…、はぁ…」


なぜ、こいつが気になるのか。


こんな感情は娘だけで充分だ。


こいつに会うから、いらない感情が生まれるんだ。


ーーーーー次に会ったら殺そう。

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作者名:chamu. | 作成日時:2023年4月22日 13時

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