初対面 ページ11
「こんにちは!」
『あ、はい!こんにちは!』
あの日から起き上がれるまでに回復して、座っていられるようになった。
いつもならメイドさんかお兄さんしか来なかったけど、今日は可愛らしいお客さんがやって来た。
瞳の色と髪色がお兄さんと似ているから兄妹なんだろうか。
「体の調子はどうですか?」
『大丈夫ですよ。心配してくれて、ありがとうございます』
小さく首を傾げる女の子は、とても可愛らしい。
『失礼ですけど、お名前は?』
「わたしはアタナシアです!アーティって呼んでね!」
『よろしくお願いします、アーティ』
にこっと笑うとアーティも一緒になって笑ってくれる。
よくよく見ると着ている服は豪華で貴族のよう。
まさか、あのお兄さんって…
「あ、パパ!」
『…パパ?』
不意にガチャッと扉が開く音がしたあと、ノックも無しに入ってきたのは、あのお兄さん。
「アタナシア、居たのか」
「うん!パパから許可貰ったあと、すぐに来ちゃった!」
「そうか。…どうした?」
『ぁ、いや…』
「今ね、お兄さんの名前聞こうとしてたの」
そう言えばアーティに名乗ってもらったのに、僕自身名乗ってなかったら失礼極まりない。
けど、今パパって聞こえたような気がしたけど、気のせいだったのかな?
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作者名:chamu. | 作成日時:2023年4月22日 13時