釣りbyチヒロ ページ35
一同は海岸に来ていた、兄弟達は祖父と釣りをしていた。
慎之介はイヤホンをして音楽を聞いていた、当然好きなアイドルの曲である…
慎之介『(殺すって言われたからお祖父さんと話しずらい…)』
良太郎『兄者が昨日の夜から可笑しいぞ…』
暁斗『なんかあったのか?』
慎之介は頑なにイヤホンを取らなかった…
良太郎『あ!姉さん達が来たぞ。』
暁斗『今来たのが一花姉さんと二乃姉さんだな。』
慎之介『真ん中が三玖姉さんだろ?』
慎之介は一瞬だけイヤホンを外したがすぐに付け直した…
良太郎『…三玖姉さんの隣は四葉姉さんだな』
そこに姉妹達がやって来て…
『これはなんて魚ですか?』
祖父『クロダイ、アイナメ、メバル、最後がキスだ。』
暁斗『メバルとアイナメは煮付け、クロダイは刺身に、キスは天ぷらだな。』
良太郎『美味そうだな!』
暁斗『出汁もこだわるか…』
出汁の取り方
昆布を水にしばらく浸す、70℃を保ちながら20分間煮出し、昆布を取り出してから沸騰させて灰汁を取り除く、そして1度落ち着かせてから鰹節を入れ5分間放置しサラシで濾す。
『ところで…なんで慎之介君はイヤホンしてるんですか?』
良太郎『昨日から可笑しいんだ…大方アイドルの見過ぎだろ…』
祖父が一人で片付けをしている時に…
慎之介『あの…』
イヤホンを外した慎之介が祖父に話し掛けた。
慎之介『この前の言葉の意味…教えて貰えませんか?』
祖父『…お主達に孫達と向き合う覚悟が有るのか?』
慎之介『…』
祖父『…わしに残された時間も少ない、思い出は残さぬ。あの子らに二度身内の死の悲しみを与えたくない。』
慎之介『少なくとも俺は向き合うつもりです』
祖父『孫達はわしの最後の希望だ、零奈を喪った今となってはな。孫達に伝えてくれ、自分らしくあれと…』
慎之介『お祖父さん…姉さん達は…きっと乗り越えますあなたの死も、姉さん達は強い、短い付き合いですがそれだけは分かります。また来ます、あなたとの思い出を作る為に…兄や弟にあなたの思いを伝える為に…』
祖父『…その時は…アイドルじゃなくて孫を選ぶんだな…』
慎之介『はい…(バレてる…)』
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作者名:チヒロ『幽旡』『由木』
作成日時:2020年2月29日 21時