謝罪Byもりやん ページ4
五月と話していた夜、暁斗はリビングでゆったりしていると、一花に話しかけられた。
一花｢へー、ちゃんと長男やってるんだね｣
暁斗｢それほどでも、あいつらは俺よりよっぽど凄い奴らですよ｣
一花｢暁斗君も負けず劣らずだと思うよ｣
暁斗｢えっ…｣
一花｢人の気持ちを分かって、寄り添える事が出来る凄い人だよ、それに毎日勉強もしながら練習もしてるじゃん｣
暁斗｢そう言って貰えて光栄です｣
一花｢まあお互い1番上だし頑張ろうね｣
暁斗｢1番上ってのも大変ですね｣
そう言って笑いあった。
そして次の日の朝、3つ子の部屋。
暁斗｢さて、まあ喧嘩した理由は分かる、とりあえず謝ってこい｣
良太郎｢しかし兄上、タイミングが…｣
暁斗｢今すぐだ｣
良太郎｢しかし…｣
暁斗｢はよ行け！｣
良太郎｢了解しました！｣
良太郎はダッシュで部屋を出た。
暁斗｢全く、世話の焼ける弟だ…｣
部屋から出た良太郎は五月とばったり出くわした。
五、良｢あっ…｣
良太郎｢あっ、あのーその昨日は済まなかった！｣
五月｢えっ、ああ、その頭を上げてください…｣
良太郎｢至らぬ弟で済まない、これから姉さんの気持ちもしっかり考える、だから、俺にもう一度チャンスをくれないか！｣
五月｢丁度物理の所が分かりませんでした、だから…その、教えてください…｣
良太郎｢おう！｣
五月｢ここの化学式なのですが｣
良太郎｢えーとそこはだな…｣
こうして仲直りが出来ました。
良太郎｢なあ｣
五月｢なんですか？｣
良太郎｢聞いていいか？昨日言ってた母親の代わりにって話…｣
五月｢…私たちは昔、母と5人とで暮らしていました、今の暮らしからは想像出来ないほど極貧でした、その頃私達は見た目も性格もほとんど同じだったんですよ｣
良太郎｢…｣
五月｢けれども女手一つで育ててくれた母は体調を崩し入院してしまって…だから母の代わりになってみんなを導くと決めたんです｣
良太郎｢俺とはまた別の苦しみだったんだな｣
五月｢え？｣
良太郎｢俺は中学の終わり頃、まあ5人とまでは行かないけど、割と母親が大変でね、それで体調を崩して、そのまま…その後は兄さん達の稼ぎで何とか暮らしてたけど、なんか俺だけ何も出来なくて…だからいつかその恩を返す、それが今でも俺が勉強する理由だ｣
五月｢まあお互い末っ子ですから、頑張りましょう！｣
良太郎｢だな、さて続きだ続き！｣
こうしてお互いに仲をより深めたのであった。
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作者名：チヒロ『幽旡』『由木』
作成日時：2020年2月29日 21時
