喧嘩Byもりやん ページ2
慎之介「追いかけて来る!」
暁斗「…ああ、任せるわ」
慎之介は財布と携帯電話を持って出ていった。
三玖「1人で行かせていいの?」
暁斗「あいつは人のことをよく見て行動する、そんなあいつが必死に追いかけてるんだ、止める訳にも邪魔する訳にもいかない」
二乃が出ていった次の日、五月と良太郎がリビングに集まっていた。
良太郎「あそこまで言わなくて良かったんじゃないか?」
五月「私も少しムキになってしまいました…」
良太郎「まあ勉強しててくれ、ただでさえ赤点ギリギリなんだ」
五月「何ですか、私が信用できないのですか?」
良太郎「どの口が言うんだ、前回も一教科だけだったじゃないか」
五月「今度こそは」
良太郎「それじゃあ間に合わないだろ!」
そう、5つ子は留年ギリギリのラインだった。
良太郎「黙って俺の言うこと聞いてろよ!」
その時、良太郎が我に返る、が…。
五月「あなたのことを少しは見直していたのですが、私の見込み違いだったようです、あなたにはもう教わりません!」
良太郎「そうかよ、後悔しても知らねえからな」
そう言って部屋に戻る2人、長男が影から聞いているとも知らずに。
そして時間が流れて午前0時、部屋の電気は消えていたが長男が台所に立っていた。
暁斗「はぁ、風呂上がりにコーヒーでもって、あれ?五月姉さん?」
五月が部屋から出てきた。
五月「暁斗君…」
暁斗「コーヒー、いります?」
五月「頂きます…」
そう言って暁斗が2人分のコーヒーを注いだ。
暁斗「良太郎と喧嘩してるんだって?」
五月「あの人とはどうも馬が合いません…」
暁斗「まあそうですよね、2人は似た者同士ですから」
五月「似た者同士?」
暁斗「あくまで俺の意見ですけど、だって同じパズルのピースは噛み合わないですから」
五月「そう言う物ですかね…」
暁斗「あいつも不器用で、真っ直ぐで、優しい奴なんですよ、あいつが勉強始めた理由知ってますか?」
五月「いいえ…」
暁斗「兄ちゃん達が凄いから、自分も負けないようにって、俺からしたらそんな理由で続けてるあいつがすごいですよ」
五月「そうなんですか…」
暁斗「だからこそ今回、姉さん達が赤点取ったら留年するかもしれないという事に焦ってるんですよ、だから、僕が言うのもあれですけど、許してやってくれませんか?」
五月「まあ善処します、コーヒー、ありがとうございました」
暁斗「いえいえ」
そう言って五月は部屋へ戻った。
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作者名:チヒロ『幽旡』『由木』
作成日時:2020年2月29日 21時