男装してても心は女。2【佐野万次郎】

武道side ページ31

「何してんすか！蓮さん！」



俺の声なんて聞こえないかのように倒れたマイキー君に近づく蓮さん。



『・・・ごめんな、マイキー。』



マイキー君のあたまをなでて立ち上がる蓮さん。



『武道、次は俺だ。さっさと殺してくれ。』



「蓮さん…」



『俺は・・・疲れてたんだろうな。マイキーが道を外れないよう守るためについて行ったはずなのにこいつが三ツ谷達を殺しても何も思わなかった。いつの間にか俺も道を外れてた。』



悲しそうに笑う蓮さん



『武道、俺を殺せ。殺さないなら俺がお前を殺す。』



俺に拳銃を向ける蓮さん。



『俺はマイキーを支えるってついていったのに支えれなかった、挙句の果て殺しちまった。責任を取って俺もここで死にたい。』



「嫌・・・です。」




『殺せ。」



「殺せません」



『殺せって言ってんだろ！！』



ドンッ



直「大丈夫ですか！武道君！」



俺のほうに倒れてきた蓮さん



「蓮さん！！」



『橘直人か・・・ありがとな、多分武道は殺してくれなかったからな。』



『時間が無い。しゃべりたいことあるから聞いてくれ。』



「そんなこと言わないで・・・」



『直人、ヒナちゃん死なせちまってごめんな。武道・・・お前には何度も助けられた、今までありがとな。』



どんどん呼吸が浅くなっていくっていく蓮さん。



「蓮さん、俺過去に戻れるんだ・・・絶対にマイキー君も蓮さんも助けるから、みんなが生きてる未来になるように頑張るから・・・！！」



『確かに、お前少し不思議なとこあったもんな。武道、もし、もし本当に過去に行けるなら、皆を、マイキーを・・・助けて・・・くれ』



目を閉じる蓮さん。



「蓮さん！」



直「武道君・・・」



「直人。俺、過去に行ってくる。過去に行って必ず、必ず皆救ってくる！」



そう決意して俺はまた過去に戻った。

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