動物少女と6兄弟 (ページ3)

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いつもとちがうページ3

「一松兄さんおかえ…っ」

いつも通り無関心そうにちらりと覗いて言う末弟。

だがいつもと違う事がはっきりと分かった。

一松は大切そうに優しく、ふんわりと黒いそれを抱いていた。

「どうしたの、その子っ?!」

トド松が駆け寄って行くと
その黒くて艶の良い少し小さな猫の体はふるふると小さく震えていた。

「とにかく小さい毛布2枚と救急箱持ってきて…!」

こんなに必死に冷静に対処しようとする四男を見たのは何年ぶりだろうか

そう思いながらトド松は小さい毛布2枚と救急箱を2階までとりに行った。

ただいまー、と気が抜けそうな声で入ってくる赤、青、緑、黄色。

「え、血のにおいするよ！

一松にーさんもしかしてそのこ?」

「あぁ…
今トド松が毛布と救急箱持って着てくれるとこだ」

トド松が戻ったときにはもうすでに兄弟が全員居間に揃って居た。

「トド松っ、ありがとう」

四男は優しくその毛布を受け取ると、温かい毛布に震える猫をそっと寝かせた。

「一松、経緯を話してくんない？」

赤いパーカーを着たおそ松が珍しく慎重な声で聞く。

「あ…うん、

この子が倒れてたのは暗い暗い路地裏だったんだ…