動物少女と6兄弟 (ページ17)

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※4歳の子ども※ ページ17

真冬、かじかむ指を必死に動かしてキッチンに立つ母の手伝いをする、4歳の子ども。

「おかーさん、かわむいたにんじんね、きったよ！」

つたない言葉でがんばって切った事を伝える幼い子ども。

母はそんな自分の方を向いて、作業していた手を止めて頭を撫でてくれる。

「A、上手に切れてる!
本当に助かるわ!」

お母さんは明るい人で、いつでもやる事を満面の笑みでほめてくれた。

そんなほほえましい光景を見て和んでいるやさしいお父さん。

「A、母さんの手伝い楽しいか?」

うん!なんて無邪気に答える子ども。

「シチューの粉、入れて!
少しずつだよ?」

「はぁい!」

さらさらとシチューの粉を言われたとおり少しずつ、慎重に入れる幼子は、小さな声で「おいしくなぁれ、おいしくなぁれ」とかわいい呪文を唱えておいしく作っていた。

「おかーさんもね、いっしょにするの！」

きらきらとした純粋な瞳で母を見つめる子どもは有無も言わせないようなほど純粋な笑みを浮かべていた。

「美味しくなぁれ、美味しくなぁれ」
「おいしくなぁれ、おいしくなぁれ」

「こうやってね、おいしくなったね、シチューをね、おとーさんにね、食べてもらうの!!」

「お父さん、Aと母さんが作ったシチュー楽しみだなぁ!」

誰が見ても、幸せそうだといえるような光景。

…

……

………

「誰だッ?!」

そんな光景が、荒れていく。

「きゃぁああッ?!」

黒い黒い、真っ黒い大人たちによって、荒らされていく。

「Aッッ!!!」

「おとーさんッ、おかぁさん!!!!」

「Aを離せ!!」

斧を持った男と、マントをかぶった男

「くっそうるせぇ野郎だなぁ…
お頭ｧ…野郎は殺していいですかねぇ…」

その二人を筆頭に、何人かがおうちに詰め入っていた。

「あぁ、やっていいぞ、娘、良く見ておくんだな。

俺たちに逆らえばああなるんだ。」

純粋な目に

「だまんねぇから…」

父の最期が

「こうなるんだぜ?」

父の赤が

「そーら…」

桃色の艶のある中身が

「よっと!!!!!」

映ったｸﾞﾁｬﾘ

「いやぁあああああああああああああああああああああああっ…
あなたぁあっ…!!」

「おとーさん!?ねぇ、おとーさん!!

おかーさん、おとーさんが…」

「子どもは売る

女は──にでもしておけ」

コレが、私の、最後の家族の記憶だった。