動物少女と6兄弟 (ページ12)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:2,681 hit

ねこページ12

「まって、そこにいるじゃん!」

「えっ、本当だ」

おそ松の声のままに兄弟たちがそこを見た。

部屋の上、鴨居の所に猫が座っていたのだ。

いつの間に、いたのだろうか。

それとも、最初からいたのだろうか。

「このにおい、今来たっぽいね!」

十四松が言う。

「今…
散歩してきたの?」

一松が猫に問うと猫は鳴きもせず、尻尾を大きくやさしく一度だけ振った。

「そっか、おかえり。
またあんな思いしてほしくないからあまり出て行くなよ?」

一松がやさしく諭す。

「一松にーさん猫と会話してる!」

すげー!!なんて十四松が言うが、
猫は意外と人間の言葉を理解し、尻尾や態度で返答してくれるのだ。

「でも、こんなおとなしい猫が赤蒼の黒猫だなんて思えないよなぁ…」

「そういえば、赤蒼の黒猫じゃなくて、紫琰(しえん)の黒猫の噂もあるよ?」

トド松が切り出す。

紫琰の黒猫、とは赤蒼の黒猫の被害者がたまに言うものだ。

松野が引き取った被害者12人の中で、2人はそういった。

ほかのファミリーが引き取った人物も数人ほどがそう言っているらしい。

「なんで、赤、青と色が出ているのと紫、と言う混色が出ているのかが不思議だな。」

カラ松が言う。

「何でだろうって思って僕も聞いたんだ。
『赤と青の瞳』って言う人はそういうんだけど、紫っていう人もいる。
そういう人もいたから、被害者全員に聞いてみたんだよね。

そしたらさ、

『赤と青が混ざった色。
でも紫じゃない

赤と、青なんだ』って…

僕は一瞬頭で整理できなくて、こいつらやっぱ頭おかしいんじゃねぇのって思った。

でも、ちょっとしたら腑に落ちたんだ。

だからさ、

･

その子の目、見てみたいな。」