はじめてのおつかい ページ7
「じゃぁ行ってきます」
覚え書きと大きな風呂敷を持ち、山を降りる。
道中は猪や猿、兎や栗鼠などと言った生物に逢うことはなかった。
さすがは空薄山と言ったところか。
しんと静かで気味が悪い。雪が降っているときより静かだ。
そうだ。異様な静けさがあるんだ。ここは。
極端な話だが、2メートル先で鳴った音さえも聞こえないような。
そんな森を降りていく。
呼吸には余裕があったので普通に走って降りてみる。
山の斜面の利用して駆け下りているため、さすがに早く降りられた。
「ふぅ…
さすがに走ると軽く息があがるなぁ…」
少しだけ乱れた呼吸を建て直し
早くなった鼓動を落ち着かせながら集落に向かって歩いていた。
「ねぇねぇ、そこのおねーさん」
振り向くと男の子が立っていた。
「おねーさん、見かけない人だね」
「ついさっき、こちらへ着いた者だ。
よろしく頼むぞ。」
そこから話していって、聞いたところによると、
今から行く集落のとある八百屋の息子らしい。
八百屋ならばある程度のものは揃うだろう。
そう考えて男の子のあとを着いて行った。
「都濃吉お帰り!…と、お嬢さんらっしゃい!!」
「この覚え書きのものを頼む。
此処にない場合は売っている場所を教えてくれ。」
_____
「ありがとう、そこの角の店だね。
行ってみるよ。」
そう言ってその場所へ行こうとしたら
「お嬢さんちょっと待ちな!」
と八百屋のおじさんから止められた。
「ん、お代が足りなかったの?」
聞いてみたが、違うようだ。
「ほら、案内してやりなさい。
しばらくは此処周辺に居るんだろう?
そうなら店を覚えておいたほうがいいからな。」
そういって、つのきちくんを俺に預けたのだった。
「ありがとう、えっと、地路吉おじさん」
地路吉おじさんはとても優しい人だ。
都濃吉君もそういっていた。
『僕の父さんは優しくて強いんだ!
いろいろな野菜も教えてくれるんだよ!』
仲睦まじい親子だ。
「Aおねーちゃん!
此処だよ!」
そういって笑う都濃吉君は弟を思い出させるような笑顔だった。
この笑顔は崩させたくないなぁ…
そう思いながら、買い物を終えた。
「Aおねーちゃん、じゃぁね!」
「あぁ、また今度な。」
頭を撫でると地路吉おじさんの元へ走ってった。
「よし、帰るか」
空薄山に向かって一歩一歩、歩き始めた。
さっきと違う山に気が付かないままに。
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Ro:A - 死音心音2.0さん» こちらこそ見ていただきありがとうございます! あっ、、、()すみません!すぐ訂正します!報告ありがとうございます!また誤字などあればすみませんが報告お願いします、、、 (2019年9月20日 4時) (レス) id: d0a449ebbf (このIDを非表示/違反報告)
死音心音2.0(プロフ) - いつも素敵なお話をありがとうございます!あの…しのぶさんは蝶柱ではなく、蟲柱ではなかったでしょうか…? (2019年9月19日 22時) (レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
Ro:A - 死音心音2.0さん» あぁあああああああッ!!!!!(汚い高音)ありがとうございます!応援ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年9月12日 19時) (レス) id: d0a449ebbf (このIDを非表示/違反報告)
死音心音2.0(プロフ) - とても面白い作品ですね!主人公ちゃんも魅力的で、素敵な子です。これから伸びていくことを願っています。これからも応援させていただきます! (2019年9月12日 14時) (レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ro:A | 作成日時:2019年8月19日 4時