第二話 ページ2
×××
｢･･････え｣
子供がいた。道端にぽつんと生えた木の上に、子供が。
その子供は見慣れない柄の白い着物を着ており、自分の視界に映った白い何かはこの子供だったのだとすぐに分かった。
男に背を向けた状態で座っていたので顔は見えないが、手遊びか何かをしているのか先程から腕が動いていた。
───･･･何故子供がこんな時間に?
───･･･一人か?親は･･･家族はどこだ?
───･･･なんで木の上に。もしかして木登りしてて降りられなくなったのか?
男は戸惑う頭で様々な憶測をしたが分かる筈もなく、声をかけることにした。
｢おーい。そこの坊や、どうしたんだい。降りられないのかな?お父さんかお母さんはどこにいるんだ?｣
男はそう言ったところで、怖がられないだろうかと心配になった。いきなり後ろから、しかも知らない大人に声をかけられたのだ。驚いて木から落ちなければいいが･･･。
だがどうやらその心配はいらないようだった。子供は男の声に反応して、ゆっくりと振り返る。男は少し安堵して｢大丈夫かい｣と続けて声をかけ
だが振り返って露になった子供の顔を見た途端、男は言葉を失った。
｢･･･ふふ。
寒気がした。先程の蜘蛛の巣がかかったときとは比べ物にならない程の。すると男の頭に町の外れで出会った老翁の｢こんな時間に出歩いちゃいけんよお。化け物が出るきに｣という言葉が過る。心臓が鷲掴みにされたように、途端に胸が苦しくなる。呼吸が、荒くなる。頭が、真っ白になる。
咄嗟に下がった足は、力をまるで失い体を支えきれず、糸の切れた操り人形の如く男はそのまま体勢を崩した。尻を思い切り打ったが、痛みを感じる程の余裕は男になかった。
｢久しぶり、だね。Aくん｣
子供は完全に体を男の方に向けると、なんの躊躇もなく自身の背の何倍もある木から飛び降りた。男は腰が抜けて動けない。
逃げなくては･･･。本能的にそう思うも、体はまるで言うことを聞かない。目の前の子供はゆっくりとこちらに近づいてくる。
嫌だやめろこっちに来るな、どっか行け、お願いだ。
死ぬ。嫌だ殺される嫌だ嫌だ嫌だ。
錯乱した男の頭に、無邪気な子供の声だけが響いた。
｢あのね僕、元気になったよ｣
目の前には、
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はちすか(プロフ) - 莓さん» コメントありがとうございます。わあああああありがとうございます！励みになります;; これからゆるゆると更新していく予定なので、また読んで頂けると嬉しいです！ (2023年3月10日 22時) (
レス) id: 5f02774b91 (このIDを非表示/違反報告)
莓 - うああああああ好きです！！！好きです！！！！設定とか全部好きです！！次の話楽しみにしてます！！！ (2023年2月20日 7時) (レス) id: fd5e919b08 (このIDを非表示/違反報告)
はちすか(プロフ) - アップルパイの生地さん» こちらの作品にもコメントして頂きありがとうございます。そう言って頂けて光栄です･･･！ 頑張れます。アップルパイの生地 様もお身体にお気をつけて、学校頑張ってくださいね (2022年7月18日 23時) (レス) id: 89de0f7806 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイの生地 - ふぇ...。どの作品もすごいです...。学校頑張れます！ (2022年7月18日 22時) (レス) @page3 id: 16abac1544 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちすか | 作成日時：2021年11月2日 16時
