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案内された席は窓際の他の席とは少し隔離されたテーブル席。
席に着けば前菜が用意され、コース料理がテーブルに華を添えていく。
飛貴 ( 最近Aが元気無かったから、ちょっと俺気合い入れちゃった。 )
A ( 気遣わせちゃってごめんね？でも、凄い嬉しいよ。飛貴と一緒に居ると幸せな気持ちになれる。 )
言葉に嘘はない。瑞稀の事を忘れさせるのは飛貴が1番上手いと思う。こんなにも私だけを見て愛してくれるのは後にも先にも飛貴だけだと思った。
店をあとにすればこの前2人で約束したイルミネーションが有名な所へ歩いて行く。
来た時には繋いでいた手が、腕を組む形に変わっていて、自然と距離も近くなっていた。
近付くに連れて増えていくカップルや女子高生達。
煌びやかにライトアップされた門をくぐれば、満天の星空の様に輝く景色が広がっていた。
A ( ねえ！飛貴すごいね！ )
思わず大きな声が出てしまう。
飛貴 ( 本当、綺麗だね。2人で来れて良かった。 )
A ( 飛貴、好きだよ。 )
飛貴だけに聞こえるようにそう呟けば恥ずかしさから顔を逸らす。
この時飛貴が顔を赤く染めているとは知る由もなく、そろそろ帰るよって時計を見る飛貴に素直に応じる。
飛貴はいつも私の家の前まで送ってくれる。
家に近づくにつれて重くなる足取り。
A ( じゃあね、飛貴。 )
家の前に着いてからの少しの沈黙を先に破ったのは私だった。
飛貴 ( うん、またね。 愛してるよ。A。 )
愛してるの言葉と共に軽く触れるだけの口付けを交わした。
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作者名：aru | 作成日時：2018年11月5日 2時
