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瑞稀side
プツッ…
只今電話に出られないという案内と共に呼び出し音は容赦なく途切れた。
瑞稀 ( まさか、、着拒？ではないよね、、 )
Aの事を忘れるため家を出る前に隠れて携帯は変えていた。
他に思いついたのは電話中。
こんなにタイミング悪いことなんてあるのかよ。
荷物のこともあるしまたかけ直そうとも思ったが、電話相手を考えてしまったり、何か今日は向いてないかなって理由を付けて携帯をポケットに滑らせた。
Aの声が聞けるかなって期待してた自分がいる。
好き、じゃん。
携帯をしまう手をポケットから出すと手の中にはAの好きだったキャラクターのキーチェーン。合鍵を返す際取ったものがポケットに残っていた。
なんで身を引くかな。
Aが好きなら奪えばいいじゃん。
自分への嫌悪が募る。
俺は好きになったらいけない人を好きになった。
Aには恋人がいる。
すごくお似合いの恋人が。
分かっていた。だから俺は自分の気持ちに気付いた時、思わず逃げ出した。
なにやってんだろ、自分。
そう零せば、手の中のものを再びポケットにしまった。
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作者名：aru | 作成日時：2018年11月5日 2時
