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ピンポーン
寝起きで聞くには不快すぎる機械音が耳に入って来て、嫌でも反応してしまう。
飛貴かな…？
それにしては早すぎるよね。って思いながら玄関に向かってはーいと返事をしおもむろに起き上がって手ぐしで髪を整えながら玄関のドアを開けると宅配便だった。
配達員 ( お届けものでーす。えっと、井上瑞稀様のお宅でよろしいでしょうか？こちらの方にサインをお願いします。 )
A ( あ、、えっと、、まあ、はい。 )
聞きたくなかった彼の名前を思わぬ所で聞き咄嗟に適当な受け答えをして荷物を受け取った。
住所、変えてないんだ…
瑞稀は私の家に入り浸ることが多かった。荷物はもちろん私の家に届くようにしてあって、それを変えそびれていたんだろう。
どうしよう、これ…
咄嗟に受け取ったはいいけど、今になって焦り始める。
荷物の伝票に目を向けると、宛先(お客様情報)と書かれた欄にここの住所と携帯番号が書いてあった。
080-…
知らない番号。
瑞稀の番号は姿を消して以来、いや多分その前からだろう。掛けても使われていないというお決まりのアナウンスが流れていた。
掛け、、ていいのかな？
もし瑞稀が出たら？
瑞稀の声が聞けたら？
今の状況が確実に壊れてしまいそうで、聞きたいという思いに反して躊躇ってしまう。
しかし、躊躇う気持ちと正反対に携帯へと伸びる指。
触れれば画面がひかり、電話の画面が照らし出される。
プルルルル…
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作者名：aru | 作成日時：2018年11月5日 2時
