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じゃあ明日ねと約束をして飛貴と別れて家路に着く。
自宅は彼が居なくなってからそんなに変化はない。
洗面所の歯ブラシ。脱ぎ捨ててある靴下。
所々彼の痕跡が残っていて、何で残していくかな…って塞ぎ込みつつも完全に消えていないことに安堵する。
A ( 瑞稀… )
安堵したからか張り詰めていた糸が切れたかのように忘れようとしていた彼がフラッシュバックの様に蘇ってきた。
当たり前にそこにいたはずの瑞稀が、今はいない。
苦しくて張り裂けそうな思いだった。
私には彼氏がいる。瑞稀にも承知の上で、ただの身体の関係しかなかった。
自分自身、瑞稀の事は恋愛感情として好きではなかった。だからこそ、避けていたのかもしれない。
それが積み重なって瑞稀は出て行ったのかもしれない。
考えるほど頭が混乱しておかしくなりそうだった。
明日のこともあるし泣き顔のままでは飛貴に合わす顔がない。
瑞稀の事から逃げるように洗面所へ行って顔を洗えば布団に入った。
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作者名：aru | 作成日時：2018年11月5日 2時
