視線の先には (ページ14)

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… ( ねえ、起きて、A？ )

私の名前を呼ぶ優しく落ち着いた声に導かれ、ゆっくり目を開ければ隣でつんつんと私の頬をつつく瑞稀の姿が見えた。

A ( ん、何だ～瑞稀か。おはよ。 )

瑞稀 ( 何だって何だよ。相変わらず寝起きの面ひでえな。 )

A ( 泊めさせて貰っときながら何よ。出てく？？ )

瑞稀 ( あ～その節は本当にありがとうございました～。A様～とでも言うと思った？ )

瑞稀との会話はろくでもなかったが、一緒に暮らしてた時と何一つ変わらない日常に戻れた気がして何だか嬉しかった。心地良かった。

ベッドから起き上がり、ふと携帯を覗くと昨日の飛貴からの通知がさらに増えていた。

大丈夫？って心配する内容の通知が2件。瑞稀の事があって、返さず寝てしまったから申し訳ないなと思う。

大丈夫だよ。昨日はすぐ寝ちゃったみたい、返せなくてごめんね。と送信すれば、携帯から顔を見上げた。

視線の先には瑞稀の顔があって、何だか手持ち無沙汰な様子。

瑞稀 ( 腹、減った。 )

出た…
本当、こういう子供っぽい感じ嫌いじゃないけど、、嫌いじゃないけど、、大人な飛貴とは正反対だなとは思う。

A ( もう。なんか適当に作るけど、いつまで居座る気？ )

瑞稀 ( ずっと。だって、A俺のでしょ？ )

A ( ？！だから私は！！ )

瑞稀 ( はいはい、彼奴のでしょ。俺にしとけよ～。 )

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