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プルルルル
電話に出ようと携帯に向けて指を動かす。
瑞稀 ( 今、出なくて良くね。 )
そう言って携帯を持つ私の手を掴む。
掴まれた状態で、唇が触れるまで数センチの所で距離を止める瑞稀としばらく、多分数秒にも満たないけど、長く感じる時間目線を合わせた。
プツッ
短い音とともに携帯の画面は暗くなり、その音と共に動き出す二人の時間。
A ( 何で、、 )
瑞稀 ( ごめん。 )
そう言って瑞稀は後ろへと距離を広げていく。
携帯には飛貴からのLlNEの通知。
目の前の瑞稀の事を考えたら開けなくなってしまい、ゆっくり携帯を下ろす。
私はいつも振り回されてばっかなのに、放っておけなくなるのは瑞稀の魅力の一つなんだと思う。
同時に、曖昧な態度を取ってしまう私の短所でもあるんだけど、瑞稀に対して湧く気持ちは他とは違う気がした。
瑞稀はずっと居候で転々としている生活を送っていた。家に帰りたくないとかなんとかで、出会いを探していた時に瑞稀に出会って、関係の代わりに衣食住の半分を補っていた。
それも放っておけない性格からだと思う。
私には彼氏が出来たけど、瑞稀との関係は続けていて複雑な信頼関係の間に溝が出来てしまった。
今までの瑞稀との事を思い返していて、ふと我に返り隣を見れば眠たげに眉を顰める瑞稀がいて。
A ( 瑞稀、寝るならベッド行こ。 )
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作者名：aru | 作成日時：2018年11月5日 2時
