君と紡ぐ永遠＊３

君が紡ぐ永遠〜素直になれない２人 ページ29

「１００パーＯＫ出すプロポーズってどんなん？」






どうしよう。

こいつ元キノコだと思ってたら、

ついに頭の中にまでキノコがわいたのかもしんない。









ゆづと出逢ったのは小学３年生の葉山合宿。

ていうかそれはゆづだけじゃなくて、

みーんなそうだけどね。

そんなちっちゃい時から知ってるから、

それこそ何かとめんどくさいことはあった。




「ね〜〜男子の中だったらさ、誰が一番かっこいいと思う？」




夜、消灯後の布団の中では、

先生たちの目を盗んでひそひそ話が始まる。

毎年似たようなメンバーなんだけど、もう絶対。

そこにはフェイとか刑事とか、それこそなぜかゆづの名前も毎年上がってて。




「ね、佳菜はだれが好きなの〜？」




普通にそのときあたしは、クラスメイトのＫくんが好きだったんだけど。

だってみんなは知らないもんなぁ、なんて思っていると。




「やっぱ田中くん？日野くん？あ、羽生くんでしょ〜！」

「はぁ〜〜〜？？」




思わず大きな声が出てしまったあたしに、

みんなが一斉に「しーっ！！」と人差し指を立てる。





「佳菜たち仲良いもんねぇ」

「で、で、で？誰が好きなのっ？」





はぁ〜〜この手の話ホントめんどくさい。

なんでそこから選ばなきゃダメなんだろ。

だいたいさ、

フェイはそりゃきれーな顔してると思うし、

刑事もなんだかんだ優しいし。

みんなが騒ぐのわかる気もするけど。



なんで、ゆづ？

細っこくて生っちろくて女の子みたいだし。

あの髪型なんてプルシェンコの真似だかなんだかしんないけど、ただのキノコじゃん。

そりゃジャンプは上手いしすごいと思うけどさぁ。

超〜〜〜〜ナルシストだし。

ギャグのセンスもないし。

うん、ないない。






「やだよ、あんなナルシストきのこ」




ぼそ、と言ったあたしの声にみんなは一瞬きょとんとして、

すぐ大爆笑。

そのせいで見回りの先生にはこっぴどく叱られた。







その日からしばらく「きのこ」って呼び出したあたしに、

ゆづはずーーっとしぶい顔してた。

だけどなんかまた色々言われんのがめんどくさくて、

結局小学校卒業するくらいまでずーっと、

きのこ呼びのままだった。





…そのせいで、

他の女子も数人きのこって呼び出しちゃったのは、

さすがにちょっと悪かったかなぁと

今は思っていたりする。

絶対そんなこと、言ってやんないけど。

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